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2017/03/08 | ビジネス | 218view

【BIZ】ベネフィットって何?スマホが変えたイマドキのWEBに求められる「価値」とは

こんにちは世界。amp@技術部のヤノです。

つい数年前でしょうか、機械学習(AI)の話題が世間を賑わせ始めたころ宗派をGoogle様に乗り換えまして。それに伴って最近携帯をiPhoneからAndroidに切替ました ... いやー使いづらいですね!Android!!

ところで、昨今の技術の進歩は本当に素晴らしいものですね。この間まで大人たちがガラケー操作に四苦八苦していたのに、最近は小さなお子様だってスマートフォンを持ち歩いています。

テレビCMでも「ヘイSiri!」とか「OK!Google!」なんてやってますね。ちょっと前までガラケーのちっちゃーな、解像度のひくーい画面で「×××のホームページへようこそ!」みたいなサイトをセコセコ見ていたボクから見たら、まるで魔法のようです。ホントウに。


スマホの普及とWEBマーケティングの変化


さて、マーケティングの世界に 【ベネフィット】 という言葉があるのをご存知でしょうか。

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ベネフィット(benefit)
: 商品やサービスを購入・利用することで、消費者が得られる価値・価値体験のこと。
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Benefitはもともと「得をする・利益を得る」という意味の英語です。ここから転じて、マーケティング業界ではこの 【ベネフィット】 を「商品を買うとこんな良いことがある」 とか 「この商品を使ったらこんな未来が待っている」 のような ... "商品が消費者にもらたらす(又は想起させる)価値・未来にフォーカスした訴求ポイント" を指すコトバとして使っています。

これに反する概念としては、商品の客観的特徴や仕様、性質を表す 【スペック】 があります ... こちらはきっとなじみ深い言葉ですよね。この2者を、天下のコーヒーショップ "STARBUCKS" で広げているヒト見かける率No.1なノートPC "MacBookAir" で見てみると、きっと以下のようになりますね。


▼ ノートPC(MacBookAir)の 【スペック】 と 【ベネフィット】
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* スペック
- OS: Mac OS X
- 画面: 11インチ/13インチ
- HDD: 128GB ~ 256GB
- CPU: 1.6Ghzディアルコア Intel Core i5
- メモリ: 4GB

* ベネフィット
- Appleの洗練されたデザインが手に入る
- クリエイティブ職のヒトが多く使っている
- かっこいい
- モテる[要出典]
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このように商品の魅力には、その商品の客観的事実・性質を表す 【スペック】 と、商品を手にすることで得られる(であろう)価値・期待・未来を指す 【ベネフィット】 、この2つの側面があります。

近年、顧客がWEBに求める情報が「スペック」から「ベネフィット」に大きくシフトしています。WEBマーケティングの観点でも、従来型の 「いかに他社より優位性のあるスペックを訴求するか?」 はもちろんのこと 「ベネフィットをいかに効果的に伝えられるか?」 が重要視されるようになってきました。

このトレンドの変化の裏には、インターネット・スマートフォンの爆発的な普及があるようです。


「冷たい事実」の羅列から「温かな生の声」を求めるように


インターネットの普及で「情報を誰でも素早く・簡単に」得られるようになった現代では、スペックの比較がいとも容易く、かつ高速に行われています。裏を返せば「同程度のスペックでは競合他社との "差別化" が難しくなった」「スペックだけでは表せない "付加価値" を売り出す必要が出てきた」とも言えます。

加えて最近は、スマートフォンのような「いつでも持ち歩くデバイス」と、FaceBook・Instagram・Twitterのような「SNS」の普及により、「一般ユーザによる情報発信」がカンタンにできるようになりました。かつて、専門家など一部の限られたヒトたちが発信した「公式情報」が殆どだったインターネット上に、一般の会社員・主婦・学生さんなどなど ... 「ヒトの生の声」が溢れかえるようになったのです。

この「誰かの実体験」は俗に口コミなどと呼ばれます。口コミは、そのサービス・商品から得られる価値をはかる、貴重な判断材料です。口コミは "ノートPCのCPUやメモリ" といった専門的知識を要するスペック情報と違い、比較検討がとてもカンタンです。また、もともと私たちは実生活でも「親しいヒトからの助言・アドバイス・感想」を、スペックよりも重要視していますよね。インターネット上に口コミ情報が増加したことにより、いつしか私たちユーザは「自身の得たい価値・未来」の比較検討を重要視するようになりました。


「口コミ」を制するモノがWEBサービスを制する?


近年のWEBサービスの中には、この「口コミ」を効果的に利用して拡大しているものが多々あります。

分かりやすい例で言えば、飲食店を紹介するポータルサイト「ぐるなび」と「食べログ」がその典型例ですね。飲食店サイドからのオフィシャルな発信を主としている「ぐるなび」に対して、「食べログ」は実際にその飲食店を利用したユーザからの口コミに主軸を置いています。扱う情報をベネフィットに特化することで多くのユーザを獲得しているのが、後者「食べログ」なのです。

2015年8月時点での公表データによると、両者の月間ユニークユーザ(利用者数)は 「ぐるなび:5,200万人」 「食べログ:6,722万人」 のようになっています。ぐるなびが1996年6月頃、食べログが2005年3月頃サービスをスタートしており、稼働年数に10年ほどの差があるにも関わらず、既に利用者数では食べログに軍配があがっています。

最近は口コミ投稿を "実名登録制" にすることで、口コミの品質・信頼度を向上させている「Retty」というグルメWEBサービスが登場し、早くもスマートフォンアプリのアクティブ率では「食べログ」、「ホットペッパー」、「ぐるなび」を抜いているというデータもあります。事実を列挙するだけの情報から、体温の感じられる「ヒトの生の声」へ、WEBに求めるニーズの変化が起きていることはほぼ間違いと言って良いでしょう。


スマートフォンの普及が「ベネフィット偏重」を後押ししている?


上記のようなニーズの変化の一端を、インターネット利用環境の「モバイル化」が担っていることも注目するべきポイントです。

スマートフォンの場合、デスクトップ・ノートパソコンと比較すると「表示領域」も狭く、インターネット回線も低速で、移動中など時間の限られたなかで利用するケースが多く想定されます。このような背景から、商品やサービスを 【沢山の周辺情報 < 少ない核心情報】 で判断したいというニーズが高まっているのです。

このような傾向は先述の 「ヘイSiri!」 や 「OK!Google」 などの「音声検索」にも表れています。自分で検索ワードを組んで、自ら一つ一つの情報に当たるのではなく 「キーワード」 に対してインターネット上の膨大な情報の中から、自分が求める最適解(=未来)を探し出して欲しい という、ユーザのニーズを見事に実現しています。

また、食べログの例で言えば、利用者の口コミ・レビューは、その商品を利用した後の 【未来の自分からの声】 と考えられます。「食べログ」の急成長からも、ネット上で顧客が知りたがっている情報が、スペックからベネフィット(未来)に移っていることがわかりますね。

極論すればユーザはスペックなんて見てない?


しかしながら、商品の品質を無視して、でっちあげた未来を顧客に想起させることがマーケティングの本質なのでしょうか?それで売上に繋がるのでしょうか? ... ボクは、それは違うと考えます。

商品・サービスのスペックが伴って、初めて効果があるのがベネフィットです。商品の客観的な品質の証明が出来て初めて「このスペックだから、あなたにこんなベネフィット(未来)を提供できます」とお客様に約束することができるのです。

ここで一つ、私たちが忘れてはいけないコトは 【スペックだけを見て未来を想起出来るようなお客様はいない】 ということです。

よほど専門知識のあるヒトでない限り、商品のスペックを正確に比較することはできません。スペックから自分の求める「未来」を探し当てられるヒトは、そもそもマーケティングをせずとも、自分で自分に最適な商品を勝手に探し出してくれるでしょう。殆どのお客様はいつだって「この商品によって自分が得られるベネフィットは何か?」という情報を求めているんです。

自分が将来どうなるか?というイメージで、ボクらは買い物をしています。ダイエット商品を売る人が「~~という物質が入っていて」とか「~~の認定を受けていて」という話をするのはモチロン大事なコトです。しかしそれよりも「これを使って効果的に痩せることで、ビーチを颯爽と歩いてみんなの羨望を独り占めできます」といったベネフィットの提示をしなければ、お客様は自分にとって有益かどうか判断できません。

ボクたちがビジネスの現場で行わなければならないコトは、自分の商品が可愛い過ぎるあまりスペックを一方的に押し付けることではありません。商品を購入したユーザに対し【どんな未来が待っているか?】を上手に掴んでいただけるよう、常にお客様目線で考えることなのです。

矢野 博之

投稿者:矢野 博之

矢野 博之(ヤノ ヒロユキ)
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東京都国立市出身。ギターとコーヒーで生きてる。20代半ばに異業種から業界入りしたイロモノWEB系エンジニアで【フルスタックウェブエンジニア】を目指し、設計・デザイン・フロント・バックエンド・インフラなど幅広く担当。最近はセキュリティ・ライティング・ディレクションも勉強中。