
コンスタントにヒット曲を出せる田中氏にずばり、世の中やリスナーのニーズの汲み取り方を聞いてみた。
田中氏「プロデュースするアーティストによって汲み取り方は異なりますが、なるべく大局観でモノゴトを捉えるようにしています。世界中でどのような音楽が聴かれているのか?サブスクリプションでどういった音楽を聴いているのか?但し、ヒットした場合もそうでない場合も、その理由は後付けなんですよね。ですので、もし売れた場合に、こういう理由をたくさんつけようというのを、曲作りの時になるべく多く想像しておくことはしています」
「打上花火」は映画の主題歌であるということ
昨年、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の主題歌「打上花火」が、ヒットしたのは記憶に新しい。共同制作で編曲を行った田中隼人は、どのような考え方を持って挑んだのか。
田中氏「映画の最後にかかることを大前提に考えました。いかにして映画との親和性を高められるか?映画の世界感に寄り添えるか?DAOKOファン以外のリスナーに刺さるだろうか?そして感動的な楽曲に仕上げられるか?という考え方です。結果的にDAOKOファン以外の人も聴いてくれたことは良かったのかなと思っています」
また、数十年来の付き合いで楽曲提供をしてきたFUNKY MONKEY BABYSのライブでは、リスナーから多くの学びがあったと言う。
田中氏「以前、シングル曲『希望の唄』をリリースした際に、イオンでインストアライブをやったんです。僕自身、ファンモンのライブへ行ったのは、その時が初めてだったんですが、イオンには入りきらないくらい人が集まっていました。そこで目にしたのは、感動して泣いたりしている人がいたことです。その時、どんなリスナーにどんな音楽が刺さるのかということを、一つのケーススタディとして学べたのは大きかったです。リスナーのニーズがリアルに見えて想像するものと重なったからこそ、その後はファンモンの仕事がしやすくなったのは事実です」
田中氏「映画の最後にかかることを大前提に考えました。いかにして映画との親和性を高められるか?映画の世界感に寄り添えるか?DAOKOファン以外のリスナーに刺さるだろうか?そして感動的な楽曲に仕上げられるか?という考え方です。結果的にDAOKOファン以外の人も聴いてくれたことは良かったのかなと思っています」
また、数十年来の付き合いで楽曲提供をしてきたFUNKY MONKEY BABYSのライブでは、リスナーから多くの学びがあったと言う。
田中氏「以前、シングル曲『希望の唄』をリリースした際に、イオンでインストアライブをやったんです。僕自身、ファンモンのライブへ行ったのは、その時が初めてだったんですが、イオンには入りきらないくらい人が集まっていました。そこで目にしたのは、感動して泣いたりしている人がいたことです。その時、どんなリスナーにどんな音楽が刺さるのかということを、一つのケーススタディとして学べたのは大きかったです。リスナーのニーズがリアルに見えて想像するものと重なったからこそ、その後はファンモンの仕事がしやすくなったのは事実です」
音楽プロデューサーなのに「サラリーマン型ミュージシャン」
オーダーに対して最大限応えていくというやり方とは別に、自ら仕掛けていくことはないのだろうか。
田中氏「基本的に、オーダーがあってから曲づくりやプロデュースをします。そういった意味では、僕はサラリーマン型ミュージシャンだと思います。自らプロデュースしたい!と言って、もし売れなかった時のリスクは大きいですから。サラリーマン型ミュージシャンはリスクマネジメントがしっかりしているんです。それに、ミュージシャンって夜型なイメージがあると思うんですが、最近は日中に作業を行っています。その方が、頭がクリアな気がしますし」
ただ、音楽市場はとても厳しい状況である。そういった中で次に向けて考えていることを話してくれた。
田中氏「今、音楽をマネタイズするのがとても難しくなっています。そういった中で、自分はどういう立場で仕事を続けていけるのか?というのをすごく考えますね。音楽を作るということは大前提で、マネジメント的な立場でアイデアを出してマネタイズ方法を模索したいと考えていて。僕らの仕事って基本的にBtoBなんです。レーベルやアーティストからオーダーを頂いて、それに対して音楽を納品するという流れになっています」