From the Editor in Chief
ビジネスタイムライン編集長 /倉本 麻衣
日本の伝統芸能である「歌舞伎」の世界に身を置きながらも、更に新しい伝統に昇華し継承しようと考える尾上松也。
今回、取材をして強く感じたのは、一つのことにとらわれることなく、ベースとなる自分の強みを生かしながら幅広く挑戦をし続けるということ。
多様化された今の社会は、大きく一つにパッケージ化された概念などが通用しなくなり、次の概念づくりに向けての転換期である。このような時代を切り拓いていけるのは、個々が持つ「マルチスキル」が一つ挙げられるのではないだろうか。
あと数年で、完全なるデジタル・ネイティブな世代が成人を迎える。
それは、Google創立年である1998年以降に生まれた若者たち。彼らは、生まれた時からインターネットや携帯電話がある世代。すなわち、インターネットで検索すれば直ぐに情報が手に入る感覚が普通であり、「世界が自分のフィールドである」感覚がとても身近なのだ。あらゆる情報に触れ、自分に合うか合わないかの取捨選択力は、おそらく大人たちよりも優れているだろう。結果的に、自分が挑戦してみたい「コト」の範囲は幅広く捉えることができ、自分にとって必要なものだと思うものはどんどん取り入れることが出来る。
このように、次世代を担う若者たちが世の中に出てくるのはとても楽しみであると同時に、そういった若者たちと対等にビジネスを遂行出来る大人にならなければいけない。一つのコトにとらわれることなく、幅広い見聞と視野を持ち、一つでも多くのスキルや強みを身につけ続ける必要がある。
人生100年時代、健康であれば年齢問わず働くことが出来る。時代は大きく変わっているのだから、これまでの価値観やライフスタイルを見直しつつ、これまで培ってきたビジネススキルを軸に、全く違う何かへ挑戦し取り込んでみることで、新しい自分へ持っていってくれるかもしれない。
勇気を持つことの大切さ、次の自分へ動かすための心にヒーローを持つこと、些細かもしれないが、ビジネスパーソンにもヒントなることを今回、尾上松也から教えてもらったような気がする。