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2017.01.11 | tieup

フォトリアルとアニメの融合 最新のサイボーグ009

(c)2016「CYBORG009」製作委員会
原作:石ノ森章太郎/総監督:神山健治/監督:柿本広大/キャラクターデザイン:齋藤将嗣 アニメーション制作:SIGNAL.MD・OLM Digital, Inc. 製作:石森プロ・Production I.G 配給:東宝映像事業部

なぜ、フル3DCGで仕上げることになったのか

今作では、アニメだけれど実写と融合しているのではというぐらいリアルな表現が多く含まれている。フル3DCGで制作した背景を柿本監督に聞いた。
柿本監督「昨今、アニメーションが手書きの制約から外れてきている流れもあり、実写とアニメの中間のようなアプローチをしたいと考え、今回はフル3DCGで制作することになりました。イラストが動いているようにキャラクターを落とし込むことで、アニメとしてのリアルさとフォトリアルを融合した作品を目指しました」


リアリティとアニメキャラクター

リアルさを追求すると、キャラクターの細かい動きなどの表現に費やすリソースが跳ね上がる。キャラクターを作り上げる際に気を遣ったことは何か。
柿本監督「今回、写実的なイラストのような仕上がりをCGで実現したいと考えていたので、その実現に向けてキャラクターデザインを齋藤将嗣さんへお願いしました。齋藤さんは、例えば、キャラクターが身に付ける服などもとてもよく考えられていて、柔らかい素材の服を着せようとするとキャラクターが動く際に服の柔らかさも合わせて表現していかなければいけないところを、シワが入らない硬い素材の服に設定することで、服の動きを最小限に押さえられるようにしてくれたりなど、いろいろな工夫をしてくれました」


「日本的なヒーロー」がストーリーの見せ場

それぞれのキャラクターの内面的な描写、キャラクターの存在感など、脚本づくりで新たに挑戦した部分などもあることを柿本監督は話してくれた。
柿本監督「本作では9人のそれぞれの見せ場を作りました。ただストーリーではジョーの“加速装置”がキーポイントになっており、今まで以上に加速を進めるとどうなるのか?光を超えられるのか?その時のジョーが観ている景色はどんなだろう?というように、より深く“加速装置”について描き出しています」
内面的、映像的に非常にジョーが格好良く表現されているが、どんなヒーロー像を持って制作に挑んだのか。
柿本監督「日本のヒーローとして描きました。ゼロゼロナンバーサイボーグ達は表立ってチームと言わず、それぞれが役割を知り、勝手に動くけれども、その行動原理の一番奥には仲間を想い和を大事にするイメージがあります。また、いわゆるアメリカなどのヒーロー物では、『自分がヒーローである』と自負しているのに対し、日本のヒーロー像は、パッシブ(受動的)で、巻き込まれて戦う傾向が強いように思います。そんな中でジョーは、永遠の18歳ながら、ゼロゼロナンバーサイボーグ達のリーダーとして、強い意志を獲得していきます。そこに魅力を感じてもらえると嬉しいです」


編集部の視点

サイボーグ009は、石ノ森章太郎による原作がアニメ化されたもの。原作者の死去によって漫画作品は未完に終わっているが、初出の1960年代から40年以上経った今でも表現方法を変えながら「島村ジョー」というヒーローは永遠の18歳として生き続けている。今後、テクノロジーが進化し続けていく中でもアニメ本来が持つ日本的文化の心は受け継がれていって欲しいと思う。


Interview
監督/柿本広大 
Production I.Gに制作進行として入社。『図書館戦争』『獣の奏者 エリン』『東のエデン』などを手がける。『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』では助監督・絵コンテ・演出を担当。今回の『CYBORG 009 CALL OFJUSTICE』は初監督作品となる。