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2017.04.17 | tieup

日本酒「酔鯨(すいげい)」に学ぶ、 ジャパンプロダクトの海外発信事例

ここ数年、日本酒は他のアルコール飲料の拡大により、日本国内での出荷量がピーク時の170万㎘から、半数以下へと減少している。(※1)この状況に危機感を持った高知県の酒造メーカー「酔鯨」では、販売展開を国内外展開の新規顧客拡大に転換。そこで依頼を受けたのが、国内外ブランド構築企画会社 KANBEE INTEL の山本氏である。そこで今回、山本氏から海外における日本酒「酔鯨」のブランディングについて話を伺った。


(※1)農林水産省政策統括官 平成28年3月発表「日本酒をめぐる状況」
http://www.maff.go.jp/j/seisaku_tokatu/kikaku/pdf/07shiryo_04.pdf




NY(ニューヨーク)は世界最先端の情報発信地

山本氏「2011年に仕事がきっかけでNYへ渡った際、最先端の小売業のマーケティング手法に衝撃を受けました。NYではすでにECが当たり前で、リアル店舗での販売がシュリンクしつつあり、ECに対抗する手段として、ECには真似できない『体験型』のコンテンツマーケティング手法を積極展開。この光景に衝撃を受け、これからの小売方法は、『モノを作る』のではなく、体感型の『コトを作る』ことの重要性に興味を持ち実際に行い始めました」
NYで成功している小売方法は、2〜3年後に日本にやってくるという流れがそこにはできている。NYには国連の総本部があり、約300にも渡る様々な人種の人々が集う特殊な場所だ。そこでは担当者が任期の中で各々の文化を持ってきてはNYで得た新たな文化を持ち帰るということを繰り返している。これは、NYが文化や情報の発信地として最先端であり続ける一つの大きな所以(ゆえん)のようだ。


「日本酒」の体感型コンテンツマーケティングブランド構築

良いモノや良い商品が溢れる中、今後人口減少が加速し、国内消費がシュリンクすると予想される。これからは、単にデザインが良い、商品が良いだけでは、売れない時代になる。そこで「コトをデザイン」し、顧客とのエンゲージメントをいかに結べるかということが重要だ。
酔鯨の海外展開においては、まず情報発信地であるNYでイベントを開催したり映像を作ったりして、顧客とのエンゲージメントを結ぶ。イベントの中で酔鯨を実際に「体感」してもらい、さらにそれをFacebookやTwitter などのSNSで発信してもらうことによって、「酔鯨」という商品を媒介として、日本酒のあるライフスタイルを顧客から顧客へと広げていく。(※1)実際、米国の有名アパレルや飲料ブランドはそのような顧客との巧みなエンゲージメント構築により、ファンを増やすことに成功している。
山本氏「国内での新規顧客を獲得するためには、まず海外へのブランド構築(見せ方、楽しみ方、体感の仕方)を動画やSNS配信などで可視化し、それを逆輸入的に国内で情報発信し、これまでの古いイメージを大きく変えることが大切です」


海外展開を通して見えてきたこと

山本氏はNY・パリ・シンガポール・香港・ドバイ・ベルリンなど各地拠点のパートナーとアライアンスを組むことによって日本の商品をリブランドし、世界に繋げているが、(※2)海外展開を通して何が見えてきたのだろうか。
山本氏「日本の中小企業は良い商品を作っているにも関わらず、見せ方やPR下手な傾向があります。2020年の東京オリンピックまでは、インバウンド顧客を中心に日本の企業にとって売り手市場です。逆にそれ以後は、アウトバウンドにシフトしていかないと国内需要だけでは大変苦しい時代が予測されます。先を見越し、世界から関心が集まるこのタイミングで、世界に売れるリブランド構築に取り組むことが重要だと考えます」
酔鯨は、今後売上の半分を海外で作りたいという想いを持つが、現在海外の売り上げも順調に増え、その達成に向けて精力的に活動している。



編集部の視点

どの企業にも共通して言えるのは、精力を注いで作り上げた商品も、その魅力を多くの人に届けることができなくては意味がないということだ。モノや情報が溢れる世の中で、その魅力を多くの人々に伝えていくため、自ら新たな市場を切り拓いていくことが必要だ。



■KANBEE INTEL株式会社