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2015.10.07 | tieup

Ⅰ. たった一店舗で、人口5,000人の町が活性化

その最強店舗の名前は「トカトカ」、その理由は?


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集客の源泉は、店舗のネーミング


北海道の十勝地方の北部にある人口5,000人に満たない小さな町、上士幌町。
町内の約76%が森林地帯と自然豊かな町の産業は、大自然の恩恵を受けた畑作、酪農などの農業や林業などの第一次産業が盛んだ。更に、日本一広い公共育成牧場のナイタイ高原牧場、北海道産級国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群などの観光業も盛んだ。

しかし、その町にはパン屋が一軒もなかった。
地 元で採れた農作物をアピールする場も、地元のA5 ランクの和牛を気軽に食べられるレストランなどもない。そこで上士幌町にスーパーを構える有限会社ルピナが立ち上がり、パン屋を主体としたアンテナショッ プを新たに町の入り口にオープンさせることになった。ビジュアルデザインの担当として声を掛けられたのが町の出身者であるBeach代表の浜名氏だ。

浜名氏がこのプロジェクトに参加した当初、お店の名前は決まっているものと思っていたが、そのネーミングも含めて考えて欲しいと依頼を受けた。店舗のネーミングとなると、もはやデザイナーの範囲外ではあったが、一人の町出身者として、このお店がどうあるべきかという思いで考えた。

元々 は「上士幌町」のPRを念頭に置いたショップだったが、観光客への訴求力やその後の展開を考え、「十勝」という一段階大きいスケールで考え直した。そこに パン屋でありながらアンテナショップでもあるという視点を付け足し、「十勝のパンとかお肉とか野菜とか」が買えるお店として、「トカトカ」と命名した。

ロ ゴタイプは、今までずっとそこにあったような、そしてこれからもずっと愛されるようなお店であって欲しいという思いを込め、あえて既存書体をベースとした シンプルなものにしている。同じく地元出身者である佐々木育弥氏の店舗デザインと相まって温かみや親しみもありつつ、ちょっと洒落っ気のある、今まで地元 にはなかったお店が誕生した。

お店は想像以上の盛況ぶりで、パンが売り切れてしまうこともしばしばだ。地元の人達にも愛され、トカトカを目当てに町へ訪れる方もいる、そんなお店になっているようだ。今では2号店もオープンしている。

ずばり、店名を「トカトカ」にした効果は絶大。なぜなら「何でとかとかなの?」でコミュニケーションが広がるからだ。ネーミングの重要性が分かる事例となった。


■株式会社Beach