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2015.10.28 | tieup

Ⅲ. 伝統工芸品の最大の特徴を捉えて、伝えること

「熊野筆」が時代を超える


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「モノの価値を見極める」こととは

広島県・熊野町。約180年前の江戸時代眞木、広島藩の産業奨励策もあ り、筆づくりの技が根づく。明治以降に学校教育制度の充実とともに発展をとげ、現在でも国内生産量の約80%以上を占める筆の都として知られている。熊野 筆は、昭和50年に国の伝統工芸品に指定され、その技術を活かした画筆や化粧筆など多用な筆が町内で生産されている。近年では、特に化粧筆の品質の高さが 内外で評価されている。

2013年熊野町の筆まつり(※)に合わせ、ブランドビジュアルの大々的な変更を行うこととなる。それは、店舗内装を含め、ショッパー、チラシ、商品箱、 ショップカードなど全てのビジュアルに反映される。これまで、それぞれのツールで制作はされていたものの、ブランド統一は初めての試みであった。

熊野筆というブランドをビジュアル化するのは、そう簡単ではない。伝統工芸品という歴史的商品価値がありながら、現代のトップメイクアップアーティストが 使う化粧筆など、幅広い層の支持を得るブランド。そのようなブランドのビジュアルを創るには、どこから始めるのがよいのか。

「モノの価値を見極め、その中の最大の特徴を抽出するところから始まります」と答えてくれたのは、SDKのクリエイティブ・ディレクターである高山氏。更 に、その特徴がビジュアルとして成り立つか、成り立った場合に人々へ訴えかけることが出来るか。ということを何案かのラフイメージを前にシミュレーション を行う。最終的には熊野筆の毛先の特徴を全面に打ち出す案となる。キービジュアルが繊細で力強いモノとなったことで、パッケージやチラシ、内装など、幅広 く展開することができている。

今回のブランドビジュアルは、「日本パッケージデザイン大賞2015」にて入賞を果たした。この受賞は、単純にデザインという視点ではなく、熊野筆という モノの本質を捉え、それをどう伝えたいか、そしてどのように伝えるのが良いのかというところに徹底的にこだわった結果だろう。


※筆まつり:毎年9月23日(秋分の日)に熊野町を挙げて開催される行事。役目を終えた筆に感謝を込めて行う筆供養や、20畳の特別な布に巨大な筆で書き上げる大作席書などの催しがされる。
●ディレクション:オートマティックスタジオ 小林雅樹



■有限会社 SDK
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