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2016.02.09 | tieup

1200年の歴史を背に 地元の魅力を発信するパッケージ

和歌山 高野七味唐辛子





世界から注目を集める、和歌山の高野山

2015年、北陸新幹線開通を筆頭に地方が盛り上がる出来事が多く見られた。地方が地元の伝統品や新しい製品・作品をアピールする力は年々増してきている。その中で、和歌山県も2015年は非常に注目が集まる年であった。和歌山県北部にそびえる高野山は、平成27年春で開創1200年を迎える記念の年。4月2日から5月21日にかけて50日にわたる記念大法期間中には、60万人が殺到した。2004年に世界遺産にも登録されている高野山。日本国内だけではなく、海外からの観光客も多く訪れている。


七味唐辛子と高野山の特別な関係

関心が集まる高野山に訪れる観光客を皮切りに、世界に向けて地元特産品の魅力を伝えていきたいと熱い思いを持ち、立ち上がったのが「くちの屋」だ。高野山開創1200年を記念して、高野山とゆかりが深い根来寺のある岩出市でのみ栽培される「ねごろ大唐」を使った七味唐辛子を商品化した。なぜ七味唐辛子にしたのか、くちの屋の主人である口野氏に伺った。

「高野山にちなんだ和歌山の特産品を使った商品を考えていました。実は和歌山、このねごろ大唐の他にも、山椒の生産において日本一のシェアを占めているなど、前々からスパイスに強みがあるのですが、あまり知られていないんですよ。これらのスパイスを使ったものとして七味唐辛子を思いつきました」

口野氏が七味唐辛子について調べていくと、必ずブレンドされている胡麻は仏教国ミャンマーで栽培されたものと、仏教と関係が深いことがわかった。そもそも唐辛子自体も、その名前は中国の唐を指しており、仏教がインドから中国大陸を経て日本に伝えられた際に、一緒に舶来されたとの説もある。また、七味唐辛子を好んでかける人が多いメニューである「うどん」も、四国・香川で生まれた空海こそが和歌山に伝えたとの由来もあり、七味唐辛子が高野山と縁深いものとまるで運命をたどるかのように結びついていった。この高野山の記念すべき年にこそ、七味唐辛子を作ろうと思い立ったのだ。




文字の形にまで仏教の教えを組み込んだデザイン

モノができただけでは意味がない。世界に向けて和歌山高野山の七味唐辛子を発信するにあたり、地元和歌山でデザイン制作を行っているアンドエーが、パッケージ、パンフレットから展示会のブースまでデザイン全般を引き受けた。

「世界」をターゲットとしたときに、日本・和歌山から発信する商品が海外の人からも魅力的に見えるパッケージデザインを求めて、細かな部分までこだわった。仏教の聖地である高野山を意識して、仏教をもたらしたインドの文字に由来する「梵字(ぼんじ)」をパッケージの全面に使用。唐辛子をイメージさせるカラーとともに、梵字を模様としてあしらったデザインにした。仏教において、文字自体に力がある霊的な神聖文字として大切にされている梵字をデザインに使うに際し、高野山の僧侶に文字が「角」や「丸」で表現されることの謂れについても取材し、歴史・由来を学んだ上で扱っている。また、お土産として楽しんでもらえるよう、パッケージ資材を手ぬぐいと封筒にリユースできる梱包資材を採用しているのもポイントだ。

現在、高野山や根来寺のおみやげ物売り場、近隣の道の駅などで販売されている。専門店で販売しているわけではないため、お土産物屋で、その他の商品と同じ場に並んでいるが、梵字柄が売り場でも存在感を発揮し、海外の女性観光客からの人気も高い。また、和歌山から他府県に出張に行く高野山の僧侶にも地元特産品として手土産に持って行きたいという問い合わせがあるなど、販路も広がっている。新たな和歌山の定番土産になりそうだ。

パッケージなどデザインの力によって行き交う多くの観光客の目を捉え、地元の歴史と深く根付いた物語性がある商品であればあるほど、その訴求力は強くなり、その商品、さらには地元の活性化に貢献している。





商品と地域をつなぐ物語をつくる

高野山開創1200年を記念して、地元特産品を活性化させようと作られた七味唐辛子。地元に根付いた産物は、地元に根付いているだけの歴史と理由が存在する。旅行客が旅先で求めるものは、「そこにしかないもの」や訪れたことが「記念として残るもの」だ。特産品ほど、その裏側に宿るストーリーが求められ、それが商品の持つ独自性になる。地元に長くいると見落としがちだが、その地域にしかない物語が必ずある。

改めて商品の持つ魅力を歴史性から紐解いてみることで、新たなアプローチ方法が生まれるのではないだろうか。




■株式会社アンドエー
http://www.nexgate.jp/company/anda/