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#システムエンジニアリング | 2017.05.16 | 残間 光太朗(ざんま こうたろう)

世界からみた日本のあるべき姿

Global Open Innovation

オープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」

2013年からNTTデータはオープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」をマンスリーで立ち上げ、先進的なベンチャー企業との新たなビジネスの創発に積極的に取り組んできました。そして2017年、世界へ視野を広げ、世界10都市で開催したのが「豊洲の港からPresentsグローバルオープンイノベーションビジネスコンテスト」です。日本1カ国でやってきたものを、いきなり10都市開催は前代未聞だと言われながらもなんとか形にできたのは、「さあ、ともに世界を変えていこう」という想いが社内をはじめ、関わっていただいた企業の方、またそこから広がる多くの人の理解と共感をいただくことができたところにあったのだと考えています。


人づてで輪を広げていった「レピュテーション型」イノベーション活動

時代とともに、企業戦略のあり方は大きく変わってきていると感じています。これまでは、自社の技術にリソースを投資し、企業秘密にしながらいち早く世の中に発表することがイノベーションでした。しかし、ICT技術の発達により世界中で、個人でもイノベーションを起こすことが可能になった今、革新的なアイデアを持っている人を世界の中から見つけ、いち早く協業することが重要な企業戦略になってきたと感じます。
実は、当活動は社内では何度も却下され承認を得るまでに半年以上かかりました。認められるきっかけは、小さくスタートしたところにあります。最初はテーマを1つに絞って少人数で社内の知り合いから。そして、社外の仲の良いベンチャー企業さん、さらには、社内のつてから仲の良いお客様へと、同じ想いを持つ人々がだんだん集まってくるようになったのです。そんなある日、当社幹部に呼ばれました。あ、これは怒られると思ったのですが、「うちの会社らしくないことをやっているな、それが面白い」と言われたのです。一般的には、イノベーション活動はトップダウンと言われていますが、本取り組みの場合、人と人の繋がりから生まれ広がってきたレピュテーション型イノベーション活動だと思います。


コンテストをいきなり10都市から始めた意味

当活動を立ち上げて半年後、まず愕然とします。世界各国は随分前からイノベーションの重要性に気づいていると知ったからです。しかも、シリコンバレーやロンドンだけではなく、世界各国で各々の地域の特徴を活かしたエコシステムが既にできあがっていました。これには危機感を感じました。いますぐに世界各国と繋がり、学びながら一緒に活動をしていかないと私たちは追いつくことはできない。それで今回、絶対無謀だと言われながらも、世界10都市で「グローバルオープンイノベーション ビジネスコンテスト」を開催したのです。結果、すぐに事業化検討案件が5都市で生まれ、さらに20都市から新たにオファーがありました。潜在的なイノベーションは様々な場所に眠っていると確信しましたね。


日本企業の価値と和の精神

当初は「世界では当社に興味なんてない」「日本はシュリンクしていく市場で興味はない」「イベントが失敗したらマイナスのブランディングになる」など、様々な厳しい意見の中で、それでも強い想いを持って実施できたのは、世界各国のイノベーションエコシステムの皆様とのお話を通して、世界での日本のあるべき姿に気づけたからです。イスラエルでは「イスラエルは0を1にできる国、日本は1を10にできる国、ベストマッチ」ロンドンでは「日本に興味があるのだがどうしたら良いのかわからない。こうして実際に来てくれるのが嬉しい」トロントでは「日本市場は、成長率は低いが安全性や信頼性といった面で確実性が高い」など、実は我々が尻込みをしているだけで、もしかしたら世界は手を広げているのかもしれないと思えてきました。そして各国に我々のニーズを汲み取ってくれて信頼できるパートナーと肌と肌で本当に手を握れた時に、これでできると確信しました。我々が思っている以上に日本や日本企業に対するオープンイノベーションへの期待感は大きいのだと実感しています。
日本には和の精神が風土としてあるので、オープンイノベーションの素地は元々あると思います。今こそ、日本はその和の精神を活かして、世界各地、様々な風土や課題の中で生まれているイノベーションを、世界のオープンイノベーションとして一緒に育てていく時が来ているのではないかと、ワクワクしています。“さあ、ともに世界を変えて行きましょう”

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残間 光太朗(ざんま こうたろう)

残間 光太朗(ざんま こうたろう)

NTTデータ オープンイノベーション事業創発室室長。1988年、NTTデータに入社後、新規ビジネス推進やコンサルに従事。2014年よりマンスリーフォーラム「豊洲の港から」やグローバルビジネスコンテストなどで“さあ、ともに世界を変えていこう”を合言葉に、革新的で迅速な新規ビジネス創発に邁進している。