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2015.09.30 | ふるさとへの愛が、地域を活性化 RYOから学ぶ6つの絆

ふるさとへの愛が、地域を活性化 RYOから学ぶ6つの絆

アーティストの創出が多い沖縄。ソロ活動をはじめたRYO from ORANGE RANGEもそのひとりだ。現在はセルフマネジメントで活動している中で、拠点を沖縄に置き続けている。彼が沖縄で音楽活動を続けている想いの中に、6つの絆があることが分かった。地元に根ざした創作活動から見えてくる代々受け継がれる沖縄魂とは。少なからず、全ての地域に当てはまる大切にするべきものは何なのかを教えてくれるインタビューとなった。




地元愛・喜び・リスペクト・ライバル心 ・パートナー協力・感謝



はじめの一歩は 沖縄での成功

沖縄で生を受け、小・中学時代はバスケットに没頭していたひとりの青年が、高校生になった時、仲間から「声が低いからラップしろよ」と誘われたことがきっかけでRYOの音楽活動が始まる。地元仲間5名でバンドを組み、アマチュア時代は、沖縄県内にあるライブハウスやストリートなどで年間70本に及ぶライブを行う。それがORANGE RANGEだ。2002年、高校生の時にインディーズデビューを果たし、その直後、インディーズの高校生ライブとしては異例の800名を動員するクラブイベントを開催した。「沖縄の地元には、音楽をやっていくうえで必要なスタジオが身近にあったり、すぐに練習が出来るように協力をしてくれる仲間が多いです。」 

沖縄には、1983年夏に始まったロック・フェスティバル「ピースフルラブ・ロックフェスティバル」がある。既に30年以上続いているイベントは、RYO自身も音楽を始めた当初より出演することが憧れだったと言う。 「2002年に、憧れていたこのイベントに出演出来たことはとても大きかったですね。大体3000人キャパぐらいのスペースですが、地元でそんなに集まるのはやっぱり凄いです。当時、ひとつの夢が叶った感動でいっぱいでしたね。」まずは、沖縄での成功が次への大きな一歩となっている。


RYOの音楽への想いを支える6つの絆

今も昔も変わらず拠点を沖縄に置いてクリエイティブ活動をしている理由をひも解くと、それを支えるためのいくつかの必然性があることが見えてきた。それは大きく6つに分類される。 

 まず、沖縄をこよなく愛する「地元愛」がベースにあり、応援してくれるファンや、まだ自分を知らぬ人達へのアプローチによって笑顔を返してくれる「喜び」がある。代々受け継がれる先輩達への「リスペクト」、同年代で自分以上に頑張っている姿を見たときの悔しいと思う「ライバル心」、様々な形で参加してくれる「パートナー協力」。そして何よりも忘れてはならない「感謝」が絶妙なバランスで保たれることで素晴らしいものがクリエイトされている。

 RYOは言う。「学生時代から、同級生同士でイベントを開催したり、狭い世界ながら勝負し高めあってきました。そして、地元のアーティスト同士すぐに会える距離で意識しやすいし、融合しやすいのです。」しかしながら、実際には東京での活動がメインとなってくることも多く、沖縄に拠点を持ち続けるのはすごく難しいとも言う。「東京滞在のためのホテル代、往復のための交通費など、特に今はインディーズで自らコスト管理をしていることもあり、メジャー時代に当たり前のようにしていたことを、当時はわがままを言っていたなと思うと、今はすごく感謝しています。」 

それは、6つの関係性が非常に近い距離にあり、それが繋がることで素晴らしい作品が与えられることを心もからだも昔から無意識に分かっているからに過ぎない。


沖縄を愛し沖縄で活動をすることこそが地域活性である

今回、RYOが初めて取り組んだソロアルバムには、地元の町長がレコーディングへ参加したり、街全体で協力してみんなで創られたものになった。アルバムタイトルにもなっている「DELIGHT」はどんな意味があるのか。「当初は、出来人=デライトというタイトル名でした。2年ほどひとりで修行のようにクラブを回って自分の曲を知らない人達が居るところで歌っていく中で、盛り上げたいってところから始まってやっていたのですが、やはりキーポイントが「できる」って言葉でした。本気を出して出発したら、それを見てくれて助けてくれる人が居るんだなって。「できる」になるためには、まずは出発することが大切だよねとなりました。そして、全てのゴールではないですけど、今回のソロ・プロジェクトのゴールが、祝福や導きという意味もあることで、ストーリーとして合っているのじゃないかなというところで、言葉の響きからディライトになりました。」 

今回、町長をはじめとしてRYOの仲間が多くアルバム制作に参加している。沖縄らしい海を感じる曲の他、初めて取り組んだソウルパンクなど、明らかに新しい領域へ挑んでいる。RYOを取り巻く環境は、地元を動かす力の源泉になっているとも見える。今後のRYOの活動と合わせて、更に沖縄も進化していくことを期待したい。




【BTL編集部考察】
 「音楽」を生活の中心に置くことは、なかなか大人に理解されにくい。しかし、チャレンジしてみないことには出来るかどうか分からない。そんなチャレンジする想いを深い愛で受け入れてくれるのが沖縄という土地とそこに住む人々。30年以上続く夏のロックフェスを見ても分かるように、次の世代を育て受け継いでいく文化もそこにはある。RYOは沖縄で育んできた音楽を通して、その地域を盛り上げる一役を担っていると言っても大げさではない。

RYO from ORANGE RANGE

RYO from ORANGE RANGE

ORANGE RANGEの低音域ボーカル担当。2014年8月に初のソロ曲「Tim Don!-Don! feat. DJ KEIN」を配信リリースし、「RYO from ORANGE RANGE」名義での活動をスタートさせた。2015年6月には私立恵比寿中学のシングル「夏だぜジョニー」の作詞・作曲・編曲をシライシ紗トリと共同で担当。2015年9月には1stソロアルバム『DELIGHT』をリリース。
http://orangerange.com/ryo/

湊 ジュリアナ

湊 ジュリアナ

1988年ブラジル生まれ。13歳のときにモデルデビュー。ポルトガル語、英語、日本語を操る、日本とブラジルのハーフモデル。「sweet」をはじめとするファッション誌やウエディング誌、ファッションショーなどを中心に幅広く活躍中。サッカーとメイク、音楽の知識が豊富で、2013年に歌手デビューを果たす。
オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/julianaminato/
Instagram:julianaminato