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2016.07.27 | (歌舞伎 × テクノロジー)+市川染五郎「伝統とは時代を超えた革新力にあり」

カテゴライズせず、 あらゆるクリエイティブからイノベーションする 思考力とは



マーケティングを学んで見えたクリエイティブ活動

VERBALは高校時代からTaku(☆Taku Takahashi)と共に音楽活動をしており、レコード会社からデビューの誘いも受けていたが、将来性のリアリティが感じられずに大学進学の道を選び、ボストン大学へ進学。「マーケティング」と「哲学」を専攻したが、どのようなことを学び、自身の考え方が形成されたのか。

「大学では、マーケティングの勉強が面白く興味深かったのを覚えています。テキストの中に〝マドンナは最高なマーケティングのマスターだ"という表記もありましたね。アルバムをリリースする度にイメチェンしていくことで、常に新鮮な印象を与える。そういう美的な感覚や考え方なども学びました。例えば、日本の伝統工芸なども同じだと思いますが、根底として同じことをやりつつも、売り出し方を変えていかないと昔のままで終わってしまう…ではどうしたら売れるのだろう、とか。常にマーケティング的な考え方でモノを見るようになりましたね」


m-floのフィーチャリングプロジェクト

1999年にm-floとしてデビューするも、2002年に女性ボーカルであるLISAが脱退したことで、VERBALと☆Taku Takahashiの2名でプロデュースユニットとして再スタートすることになる。その頃から「m-flo loves...」というタイトルを見かけるようになったが、背景は何だったのか。

「LISAが脱退して男2人でユニットって言ってもというとこから始まったんですが当時、日本ではまだ〝featuring"スタイルの音楽が少なかったこともあり、最初にレコード会社へ〝featuring"を提案した時には渋々OKをいただいたというような感じで。売れるごとに『上手くいったじゃん!』というノリになったんですよね(笑)。フィーチャリングの場合、ユニットでやるような〝阿吽"の呼吸みたいなものはなくて、毎回『はじめまして』でお互いに打ち解けるところから始めるので、すごいエネルギーを使うんです。でも、その経験があったことで、色々な人達と制作することに抵抗感がなくなったのは良かったですね」

m-floから様々なプロジェクトが発信されたことにより、日本のヒップホップは基より、日本の音楽業界の可能性を拡げたといっても過言ではない。


音楽クリエーターの能力を超え「ファッション」へ

では、VERBALはヒップホップというジャンルに関してどのように捉えているのか?

「自分としては、ヒップホップは何でもありだと思っています。一つのカテゴリーに縛られず、ヒップホップが持つ多様性とカルチャーの拡がりを伝えたい、という想いが強いですね。僕がディレクターを務めているAMBUSH®というジュエリーブランドを例にとると、実は当初ブランドにしようとは思っていなくて、自分や友人用にカスタム・ジュエリーを作ったのがきっかけだったんです。周りの方からどこで買ったの? お店に置いてみない? それブランド化したら?という声をいただくようになって、デザイナーのYOONと一緒に今のAMBUSH®というブランドを立ち上げることになりました」




INNOVATION WORLD FESTA2016は「インテリジェンスなディベート」

音楽、ファッションと活動の幅を広げる中、2015年よりイノベーター支援を行うJ-WAVEの番組「INNOVATION WORLD」のナビゲーターを担当している。更に今年、VERBALがプロデューサーとして新しい取り組みにチャレンジしたのが、去る5月14日に筑波大学で開催された「INNOVATION WORLD FESTA 2016(以下、#イノフェス)」である。イベント当日は、音楽ライブはもちろんのこと、各業界を牽引する多くのトップクリエーターが、テクノロジーとの融合でイノベートされるクリエイティブの今後について講演を行ったり、濃厚なプログラムが繰り広げられた。

今、VERBALが注目するテクノロジーと#イノフェスの位置づけについて聞いた。

「先日、落合陽一さんにお会いしました。『現実の世界で魔法を使っているように見せられる仕組みが作れないか』という発想から、単位としてあるナノやピコよりも小さいと言われるフェムトレーザーを飛ばして、空中に光のパターンを描くという技術を生み出してしまう〝現代の魔法使い"と言われているような方ですが、本当に魔法のように見えるんです。驚きましたね。自分からテクノロジーと言わないでも、『これぞテクノロジー!』と周りに言わせるものが本当にすごいものだと改めて思いました。#イノフェスは、普通のライブ、ショーケース、フェスとは違う〝エンタメ"だと捉えてまして、インテリジェンスなディベート大会のようなものですかね。大人のオピニオンリーダー達がぶつかった時、そこにさらに若い力が加わった時に、また何か新たなイノベーション出来るのではないかな? と考えています。当日は僕たちm-floも一つスペシャルコンテンツを用意しています。それは、ステージ上で公開楽曲制作を行って、普段どのように楽曲が出来上がっていくのか、レコーディングが行われるのかなどをお見せしようと思っているのですが、その場所からまた新たなイノベーションが生まれたら嬉しいですよね」

既に出来上がった音楽しか聞いたことのない若者が、どうやってその音楽が出来たのか? という制作過程に触れ、参加することで、未来の新たなクリエーターがここから誕生するかもしれない。


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VERBAL

VERBAL

Music Producer, MC, DJ (m-flo, TERIYAKI BOYZ®, PKCZ®)Creative Director (AMBUSH®)m-floでの活動の他、超豪華ラップグループ TERIYAKI BOYZ® 、新たにスタートしたクリエイティブユニット PKCZ® のメンバーとしても知られ、独自のコネクションを活かし数多くのアーティストとコラボレーション。 Pharrell、Kanye West、AFROJACK など海外のアーティストとも交流が深い。近年はDJとしても飛躍を遂げ、そのスタイルはファッション界からの注目も熱い。デザイナーのYOONと共に2008年にスタートしたアクセサリーブランド “AMBUSH®” ではクリエイティブディレクションを手掛け、これまでに Louis Vuitton(Kim Jones)、SACAI、A Bathing Ape® など、錚々たるブランドともコラボレーション作品を発表している。


左:松竹株式会社 取締役副社長 細田氏/右:松竹株式会社 常務取締役 岡崎氏

左:松竹株式会社 取締役副社長 細田氏/右:松竹株式会社 常務取締役 岡崎氏