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2017.02.15 | 「ヒットをつくる」

miwaが挑む「新しい自分」

1990年生まれのmiwaは現在26歳。映画制作陣は、多くのキャリアを積んだベテランスタッフたち。そんなスタッフたちに囲まれながら、対等に挑むmiwaのクリエイション力は、分析力とそこからの応用力に優れている。女子大生の役どころ「葵海」を通してmiwaが表現した新しい自分とは。  そしてパワーアップしたmiwaが、2017年を見据えた自身のクリエイティブについて語る。



「葵海(あおい)」に想いを重ねる

主題歌制作の他、劇中歌の歌詞づくり、主演としての役を演じ、そして歌う。歌詞づくりでは葵海ではなくmiwaらしさが歌詞に出てしまい監督から指摘されることもあったという。そのような中、どのようにして気持ちを葵海に近づけて行ったのか。それは客観的に葵海と陸の性格を理解し想像するところから始まる。
miwa「葵海の魅力は過去・未来にとらわれず今を生き抜くという姿を全身で表現しているところだなと感じました。そして陸は葵海のことをいつも考えていて、一途に想っているからこそ今を見失って迷ってしまう部分があると思うんです。陸にとって葵海は、太陽のように明るく照らしてくれる存在なんだなと二人の関係を見て想像しました」


曲づくりは「今をどう生き抜くか」をテーマに

陸という幼なじみがいる女子大生の葵海が映画の中で陸がメロディを書いた曲に歌詞を重ねていく。普段の音楽活動のmiwaではない葵海として挑んだテーマは、結果的に現代を生きる多くの人の琴線に触れる深いものとなった。
miwa「葵海にとって陸はどういう存在なのか、過去と未来にとらわれず今を生き抜くとはいったいどういうことなんだろうと考えながら葵海として曲作りをしました。おそらく10〜20代の方々が多く観に来られると思うのですが、関係者試写をやっていく中でストーリーを全く知らない30代以上の方も熱く語ってくださったりする姿を見ると、今この瞬間を生きるという結構深いテーマになっているなと改めて感じました」
miwaが劇中で作詞した曲には、「めぐりくる季節」や「あおい海のそばで」のように“りく”と“あおい”を意識したフレーズがある。二人が「愛を送り合う(アイヲオクリアウ)」という歌詞の意味を受けて「アイオクリ」と名付けられた。


「表現する」という共通点を見つける

miwaにとって今映画が、初めての主演、そして劇中の登場人物が歌う音楽を作ることも初めての挑戦。いくつもの初めてに挑む中でも冷静に共通点を見つけ分析する。
miwa「曲作りと演技をすることの共通点は、感情を伝えるという点においての『表現する』ことだと考えています。曲を作るときは、自分自身の気持ちを形にするので自分の中では100%理解していて、その曲をライブやテレビで見ている人に伝えるという時に演技する感じじゃないかと。伝わらないとせっかくの想いも勿体無くて、どんなに良い脚本でもどんなに良いキャラクターでも葵海を演じるのは私なので、私がしっかり表現していかないと見ている人は台本を読めるわけではなく気持ちが見えないので、その辺りは音楽で伝えることに似ているんです」


違うことは「自己完結型」ではないこと

自分以外のクリエイターとともに一つのクリエイティブを完成させることで、得られる何かがあることをmiwaは気づく。
miwa「シンガーソングライターとしての活動では自分で曲を作り自分で歌い、全て自分から始まって完結していくのですが、映画だと監督がいて脚本家がいてカメラマンがいて、そして私は演者となります。演じるという『表現する』ことに特化してやるというのは、そこを磨くチャンスになったので、人の判断や想いを背負って表現するということは一つ引き出しが増えるのかなと思いました」


2017年、クリエイターとしての生き抜き方

miwaがデビューした2010年代は、音楽ソフト生産金額が全盛期だった1990年代の約半分にシュリンクし、ヒットを出すのは厳しい時代。そのような中でも着実にキャリアを積み、8年目を迎えようとしているのは、miwa自身が時代をよむ力があるからだろう。一人のクリエイターとして2017年をどう生き抜こうとしているのか。
miwa「実は2年ほど前からあたためていたんですが、今年は“水”をテーマにしたアルバムのリリースを予定しています。ツアーでは水を使った演出を考えていて水にまつわるクリエイションをやっていきたいと考えています。水というのは、雨が川、海へ、そして雲になって循環するもので、涙もそうですけど私たちの体内の6割が水分というのを考えると『循環している』という表現をしたいなと思ったんです。それは、もちろん世界も巡っているという意味にもなりますし、今年はとても大きな年になるんじゃないかなと思っています」




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miwa

miwa

シンガーソングライター。1990年6月15日生まれ。2010年に「don’t cry anymore」でデビュー、翌年発売のファーストアルバム「guitarissimo」がオリコンアルバムチャート1位を獲得。 その後も「ヒカリヘ」、「Faith」、「結 -ゆい-」等数々のヒット曲をリリース。2013年にはNHK紅白歌合戦に初出場し現在まで4年連続で出場する。また自身のLIVEでも集客1万人を超える横浜アリーナ、代々木第一体育館など数多く行い、2015年には女性アーティストとしては史上初となるギター1本での弾き語りLIVEを日本武道館で開催し成功を収める。女優としては2015年公開の映画「マエストロ!」でヒロイン橘あまね役で演技初挑戦、NHK 放送90周年ドラマ「紅白が生まれた日」に並木路子役としてドラマも初出演。2017年2月22日には5枚目のアルバム「SPLASH☆WORLD」が発売。4月22日より全国ツアー「miwa ARENA tour 2017 “SPLASH☆WORLD”」がスタートする。

大島 里美

大島 里美

脚本家。第16回フジテレビヤングシナリオ大賞で佳作受賞。第1回市川森一脚本賞を「恋するハエ女」(NHK/12)で受賞。脚本代表作にドラマでは「1リットルの涙」(CX/05)、「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」(CX/07)、「早海さんと呼ばれる日」(CX/12)、「花燃ゆ」(NHK./15)映画では『カフーを待ちわびて』(09/中井庸友監督)、『ダーリンは外国人』(10/宇恵和昭監督)などを手がける。


井手 陽子

井手 陽子

映画プロデューサー。『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』(09/佐藤祐市監督)、『のぼうの城』(11/犬童一心監督、樋口真嗣監督)、
『海月姫』(14/川村泰祐監督)、『マエストロ!』(15/小林聖太郎監督)などの作品を手がける。