クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.33
アート
2018.03.15

次世代クリエイターの創出を支援するインキュベーションプロジェクト


さまざまなモノや情報が溢れる今の時代、今までの常識は日々塗り替えられ、新しい価値観が次々と生み出されている。特に変化の早いクリエイティブ業界では、世の中の変化を敏感にキャッチし、自身で考え発信できる人材が求められる。クリエイティブ分野に特化して人材の育成を行っているバンタンでは、そういった人材を世に出すためのプロジェクトを実施している。今回はその一つであるインキュベーションプロジェクトについて、株式会社バンタン 企画開発本部 広報濱田氏へ話を伺った。

若手デザイナーを支援するプロジェクト
バンタンが実施する教育の一つに「インキュベーションプロジェクト」というものがある。それはどのようなことを目的としているのだろうか。
濱田氏「『インキュベーションプロジェクト』は、自身のファッションブランドを持っている若手デザイナーの起業を支援することを目的としたファッションコンテストです。卒業後すぐに、自分の力だけで自身のブランドを運営するのは容易ではありません。学生の多くは一般企業に就職するケースが多いのですが、このイベントで評価されたブランドは支援を通じて、自らのブランドとして世に出すことができます」
そのプロジェクトとして現在   行われているのが、バンタンと   パルコが主催する、「Asia Fashion Collection(以下AFC)」だ。
濱田氏「AFCは、アジアの若手デザイナーの創出、また個人が世界へ発信できるプラットフォームとしての役割を担っています。韓国、台湾、香港、日本の若手   デザイナーたちが参加しており、2017年10月に開催されたTOKYOステージの最終選考をくぐり抜けた7ブランドが、2018年2月に開催されるNYステージにてランウェイデビューを果たします」

AFC4th NYステージ

新しい才能の発見・支援を積極的に行う企業
教育機関と連携したこのような取り組みを企業側はどのように考えているのだろうか。株式会社パルコ 執行役 溝口氏にプロジェクトへの想いを伺った。
溝口氏「今プロジェクトは今回で第5回目を迎えることになりました。アジアの若手デザイナーの『刺激創造の場』であり『世界に通じる入口』として、AFCが機能するように、実行委員会としても常にプロジェクトの進化を念頭に取り組んでおります。引き続き国内外のファッション関係の皆様との連携を密に前進し、ファッション界に貢献して参りたいと考えております」

若手デザイナーの想い
2017年2月、AFCのNYステージに出場し、現在も活動の幅 を広げているブランド「DAIRIKU」。 そのデザインを手がける岡本氏は、今プロジェクトについてこう語る。
岡本氏「AFCでの取り組みを通して、様々な方と知り合える機会ときっかけを頂きました。その結果、卒業後にブランドを立ち上げる決意ができ、今に至ります。それでも難しい面もありますが、若手デザイナーが増えるきっかけになるいい取り組みだと思います」

DAIRIKU

編集部の視点
優秀なデザイナーは多くいるが、そういった人材が世の中に発信できる場面はまだまだ少ない。教育機関が企業と連携し、このようなプロジェクトを行うことで、世界に日本の優秀なデザイナーの存在をアピールでき、かつ若手デザイナーが活躍するフィールドも広がるだろう。また企業としても新たな事業展開へのきっかけになり、新たなイノベーションが起きそうだ。