クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.34
アート
2018.04.13

美しくも独創的な世界観 アーティストと学生のコラボで生み出すMV


クリエイティブの業界では、プロジェクトごとに適正な人材をアサインし、チームで連携し制作を進めることが重要になってくる。それに対応して、チームに入って すぐに力を発揮できる人材の育成も求められる。クリエイティブ分野に特化した専門教育を主体とするバンタンでは、即戦力となる人材の育成に向け、産学協同の取り組みを数多く実施している。その中でも今回は、アーティストmachìnaと学生が共同で行ったMV制作のプロジェクトについて話を伺った。

選出されたチームにより制作されたMV
YouTubeで話題となり、世界中で注目される新進気鋭のアーティストmachìnaとバンタンデザイン研究所の映画・映像学部の学生が共同で制作を行った今回のプロジェクト。まずは学内で企画のコンペが行われ、machìna自身によって審査が行われた。監督、プロデューサー、美術で3人一組のチームを作り、MVの企画からプレゼン、制作までを行う。そこで選ばれたチームと共に制作されたのがオリジナル曲『at Love』のMVだ。

左から美術の孔明氏、プロデューサーの福嶋氏、machìna、監督の斎藤氏

実在しない世界のイメージを表現する
美しくも独創的な世界観が表現され、観る人をひきこむ『at Love』のMV。曲を聴きどのようなイメージで企画・制作を行ったのか、監督を務めた斎藤氏に伺った。
斎藤氏「愛を知り、変化していく女性の内面をイメージし表現しています。映像として『誰も見たことがない世界』を作りあげるために、予算や技術が少ない中でも譲れない部分は最後まで調整を重ね、撮影用のセットやカメラも徹底的にこだわりました」
また、制作では実在しない世界のイメージをチームで共有するのに苦労したという。
斎藤氏「同じビジョンが見えていないと、制作メンバーが各々で動くことができません。試行錯誤しながら自分のイメージを共有していましたがなかなか伝わらず、その時に監督の重要性と難しさを感じました。チームで動く上で、自分なりに考えて、なるべく任せた部分のデザインに関しては、その子の意思を尊重しようと意識していました。提案してもらったことは全部一度飲み込んで、意見をすり合わせ、作りあげていきました」

アーティストとしての想い
machìnaは今回のプロジェクトを通して、自身の作品に対する解釈の幅を広げられたという。
machìna「私の音楽が学生にどんな風に受け止められるのか興味がありましたし、それぞれの感覚で解釈してくれる学生たちのことを知る事で、逆に私も勉強になりました。考えを広げていくという点で、とても意味深い共同作業だったと思います。考えの限界を超えて、自由に語り、お互いの意見に耳を傾け、アイデアを尊重しながら作り上げていく。MVの中に表現されたセットや、ストーリーはどこにもない新しい世界観です。この曲を初めて作った時の私の感覚と、学生たちの素敵な企画が一緒になって、誇らしい作品になりました」

編集部の視点
学生ならではの作品の解釈、そこから生まれるアウトプットはアーティスト自身にも気づきを与えるものになるようだ。そして、クライアントの生の声を聞き、チームで一つの作品を作り上げて行くという作業。学生のうちにこうした経験ができることで、現場にでてもすぐに活躍できる人材に育っていくのだろう。

machìna
Appel GirlとしてYouTubeに動画を公開し世界中を驚かせたYeo Hee(ヨヒ)のソロプロジェクト。iPhoneを駆使したレディー・ガガのカバー動画はあっという間に拡散。YouTuberの先駆けとなる。作詞作曲アレンジまで手がけた初のセルフ・プロデュース作品「Hear Me」で日本CDデビュー。花王ソフィーナ「プリマヴィスタ」CMソング(ユーリズミックスのカバー)を歌うなど活発に活動。音楽だけでなく映像も手掛けるニュータイプの宅録女子として話題に。