クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.40
アート
2018.10.12

人々を魅了する「見立て」の世界

CREATORS STYLE vol.1

ミニチュア写真家・見立て作家
田中 達也
Tatsuya Tanaka


クスッとくると同時になんだか癒される、遊び心がつまった作品の数々。日用品や食品を風景に見立ててミニチュアの世界を表現する、ミニチュア写真家の田中達也氏。2011年から毎日欠かさず作品をインスタグラムに投稿しており、現在では140万人以上のフォロワーをもつ。
きっかけは、インスタグラムに何か投稿しようと考えていた際、趣味で集めていたミニチュア人形を使ってみたことから。周囲からの反応も良く、1日一枚投稿するようになったというが、日々アイデアにつまることはないのだろうか?
田中氏「アイデアは日頃から思いついたものをメモしているので、困ることはありません。ただ、どうしても作業が進まない時は、片付けをするか映画を見ますね。映画で見たシーンが後々作品のヒントになることもあります」


また、作品をつくる上で大切にしていることを聞いた。
田中氏「モチーフが何かわかるということですね。じゃないとまず見立てが成り立たない。みんなが知らないものを何かに見立てても、大前提が崩れてしまうので。知っているものを知っているものに見立てる。だから面白いんです」
生活の中で馴染みのあるモチーフが見立ての世界をより引き立たせている。そんな今の作品のスタイルはどのようにしてできあがっていったのか。
田中氏「2013年に1冊目の写真集を出しているんですが、自分で編集やデザインをしているうちに、自分の作風を客観的に見て、これは『見立て』だなと気づいたんです。インスタで単なるミニチュアの写真をあげてもいいねがつかない。求められているものが見立ての世界なんだなと感じました。最初からお金があって普通にジオラマ作っていたら、今みたいな作風にならなかったと思います。街を作りたいけどジオラマを買うお金がない、なら身近なものを使って再現してみようと。揃ってなかったからこそ持っている何かで代用してミニチュアの世界をつくっていく、そういったところから作品が生まれてきました」


10月には『MINIATURE LIFE COLLECTION 日本の昔話』というフィギュアが発売される。集めて飾るだけでなく、そのフィギュアを使って見立ての写真を撮ってもらう企画を考えているという。みんなに楽しんでもらうには何がいいだろうと日々新しいことに挑戦する田中氏。つぎはどんな作品を見せてくれるのか楽しみだ。


カプセルフィギュア『MINIATURE LIFE COLLECTION 日本の昔話』
2018年10月5日(金)より販売開始予定

Profile
ミニチュア写真家・見立て作家。1981年熊本生まれ。ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立て、独自の視点で切り取った写真「MINIATURE CALENDAR」がインターネット上で人気を呼び、雑誌やテレビなどのメディアでも広く話題に。広告ビジュアル、映像、装画など手がけた作品は多数。’17年NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックを担当。写真集「MINIATURE LIFE」、「MINIATURE LIFE2」、「Small Wonders」発売中。