クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.41
カルチャー
2018.11.15

TESLA車が連続する交差点 シリコンバレーで活躍するイノベーターたちの不思議な金銭感覚


その道は車社会を代表する大動脈
サンフランシスコとロサンゼルスを結ぶハイウェイ、国道101号線。U.S.Route 101は西海岸を拠点とする名だたるITベンチャー企業で働く人々は必ずといって利用する最もポピュラーな道。特にサンフランシスコからサンノゼまでの間は、現地ではシリコンバレーではなく「Bay Area」と呼ばれ、Airbnb、Apple、Dropbox、Facebook、Google、Hewlett Packard、Instagram、Intel、Lyft、Microsoft、Oculus、Oracle、Pinterest、Square、Tesla、Twitter、Uber、Yahoo!、Yelpと、名だたる企業がその101沿いに本社を構える。

当たり前ではあるが、この道はとにかく渋滞する。片道4車線、場所によっては5車線もあるのに朝、夕方はビッシリ。日本と違いサバーブ(郊外)が広大な米国では、車は欠かせない道具なんだろうと容易に想像できる。その中でも目立つのは米国生産の日本メーカーの米国産車。レクサスはもちろんのこと、トヨタやホンダ、ニッサンに至るまで、日本では目にすることのない米国用にデザインされたオリジナルの車両が多く走る。ピックアップトラックのデザインは米国的で心をくすぐられる。そんな車社会のなかで、かなりの度合いで見かけるのはイーロン・マスク氏が率いるTESLAの車たち。

ベイエリアでTESLAを乗る人が多い理由
このエリアに住み、IT企業で働くエンジニアやキーマンたちの年収は非常に高い。求人サイトIndeedによると、職種にもよるが平均年収は1000万円を楽に超える。しかしながら年収3000万円を超えていたとしても、日本の中流階級の生活しかできないという声も耳にする。家賃もそうだが食費も含めて、物価は日本よりもはるかに高い。一人暮らしのワンルームマンションでも、月の家賃が20〜30万円はする。朝食でさえ1000円では食べられない。そんな中、なぜTESLAを選ぶ人が多いのか。もちろん趣味嗜好や自己顕示としての選択もあるかもしれないが、合衆国政府とカリフォルニア州からの減税措置が大きいのもその要因かもしれない。生活にコストがかかるシリコンバレーの人々は税制優遇にも敏感になるのだろう。


シリコンバレーのスタイルは少し特殊
Appleのキャンパスと呼ばれる本社のあるクパチーノエリアでは、特にそのTESLAをよく見かける。その街の交差点はさながらTESLAのショールームだ。ただその運転手に目を向けると、身にまとっている衣服は、ファストファッションなどのコストコンシャスなものばかり。ファストフードの駐車場で車から降りてくる足元はごく普通の一般的なスニーカー、右手にはMacbook、左手にはiPhone。シリコンバレーで活躍しその街で住むには、独特の価値観を手に入れないと生き抜くのは難しいかもしれない。