クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.29
エンタメ
2017.11.16

01 「西日本最大級」野外音楽イベントINAZUMA ROCK FES を支える制作者たち


滋賀県草津市の烏丸半島芝生広場。眼前には琵琶湖、そして対岸には比叡山を望む風光明媚なこの土地で2009年より毎年9月に開催されている「イナズマロック フェス」は今年で9回目を迎えた。発起人は、滋賀ふるさと観光大使を務めるアーティストの西川貴教。琵琶湖の水質保全と地域振興を掲げて地元行政とタッグを組む形でスタートしたこのフェスは、2日間で10万人が集まる西日本最大級の野外音楽イベントに成長するまでになった。

毎年新たな要素を盛り込んで進化してきたこのイベントも、ここまでの道のりは決して順風満帆といえるものではない。というのも昨年は悪天候によりライブを予定していたアーティスト3組(MAN WITH A MISSION、UVERworld、T.M.Revolution)を残し、公演中断からの“中止”という苦渋の決断を迫られることとなった。悪天候によるイベント中止というのは、決して珍しいことではないが、ここで注目すべきは彼らが中止公演の代替公演を実現させたということだ。  今年のフェス開催日の前日となる2017年9月15日(金)、不完全燃焼に終わった2016年のイナズマロックフェスが、362日ぶりに「イナズマロック フェス 2016 リターンズ」として、当時の来場者の無料招待制公演という形で帰ってきた。このイベントに携わるすべてのスタッフが前年の無念な思いを形に変えて、無料公演を成功させたことは、フェスというイベントの性質を考えると特筆に値する。ようやく無事にリターンズ公演を終え、2016年のイナズマにピリオドを打った彼らだが、ホッと肩をなでおろしたのも束の間、奇しくも台風18号が日本列島を横断し、「イナズマロック フェス2017」の2日目にあたる9月17日(日)は中止に追い込まれてしまう。のちに、西川貴教は「今年のイナズマは中止ではなくキャリーオーバーへ」とツイッターで発信。来年、10回目の開催に向けての強い想いが込められた言葉となった。

BTLでは今年8月、イナズマロック フェス実行委員会の定例会議へ潜入。行政や地域の理解・支援を受け9年間続けられる理由はどこにあるのか。そして有事の際を想定した事前準備、さらに来年10年目を迎えるにあたっての想いに密着した。モノゴトを動かすこと、実現するために大切なことを紹介したい。