クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.36
特集
2018.06.14

企画はおもてなし

企画はおもてなし
森本 千絵


「出逢いを発明する。夢をカタチにし、人をつなげていく。」ための集団goen°主宰の森本千絵氏。直近では世界最大の広告の国際メディアコンクールNew York Festivalsで3作品が受賞となった。大手広告代理店から2007年に独立し、南三陸商店街のロゴ、サインのデザイン、Mr.Children、miwa、松任谷由実などの有名アーティストのジャケット、アートワーク、キリンビールのパッケージ、動物園、保育園、幼稚園、霊園までもの空間デザイン、NHK朝の連続ドラマ「半分、青い」のポスター、誰もが目にしたことのある作品、そして心に残る作品を多く手掛ける。一流のアートディレクターとしての企画術を紐解く。

車中から生まれるアイデアたち
森本氏「アイデアを考える仕事は非常に身体性が重要だと思っています。その人の思考の特徴は身体性に大きく影響していて、立ち姿と動き方、呼吸の仕方でそれぞれの作風は変わると思うんです。私は運転していることが多いので、動体視力というか、卓球部だったことも影響しているのかな(笑)、ちょうど運転しているときの視点で物事を見ています。そのため、常に企画している時は紙の上で静止して考えるよりも、風景とか人物とか全部動画みたいに動かして考えているんです。これは運転の影響だと思います(笑)。大学生のころ、国分寺まで往復3時間、毎日運転していました。その片道1時間30分の間はラジオも音楽も十分に聴けるし、すごく考える時間がありました。窓から見える外の世界は美しくて、そこに音楽が掛け算されて、さらに自分のアイデアも掛け算されて、窓から見える景色はスクリーンで見ているかのように色んな事を空想して。私にとって車は動く魔法の箱みたいな部屋だったんです。今でも通勤は車です。風景や音、いろんなものがミックスされて、アイデアが自分の頭のなかで形になっていき、この感触だってなったらアウトプットし、完成させていくんです」

Profile

企画はおもてなし
森本 千絵
森本 千絵
株式会社goen°主宰。コミュニケーションディレクター・アートディレクター。武蔵野美術大学客員教授。1999年武蔵野美術大学卒業後、博報堂入社。ʼ06年史上最年少でADC会員となる。ʼ07年goen°設立。NHK大河ドラマ「江」、朝の連続テレビドラマ小説「てっぱん」「半分、⻘い。」のタイトルワークをはじめ、Canon、KIRINなどの企業広告、松任谷由実、Mr.Childrenのアートワーク、映画・舞台の美術、動物園や保育園の空間ディレクションなど活動は多岐に渡る。11年サントリー「歌のリレー」でADCグランプリ初受賞。伊丹十三賞、日本建築学会賞、日経ウーマンオブザイヤー2012など多数受賞。