クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.37
特集
2018.07.13

アイデアを生み出す3つのポイント

長く愛されるサービスの創り方
粟飯原 理咲

粟飯原流アイデアの生み出し方
思いつくこと、ひらめくことはあっても形にしていくことが難しい。0から1にしていくプロセスはどのようなものか。
粟飯原氏「父がとても発明が好きで、“いいこと思いついた!”と、ふつうに商標登録したり、特許申請したりしているのを小さい頃から見てきていたので、アイデアを形にすることは楽しそうだなと昔からすごく思っていました」
父親の影響からアイデアを形にしていくという動きは身体に自然となじんでいたという。さらに粟飯原氏ならではのアイデアの生み出し方には3つのポイントがある。
粟飯原氏「座右の銘は“地に足のついたミーハー”です。大事なのはミーハーであること、そして掛け算だと思っています。例えば、おとりよせネットは、『おとりよせ』と『ネット』を組み合わせると、新しい市場だなと思いました。当時、お料理のメディアはすでに色々ありましたが、『お料理』×『ブログ』というサービスはないから、始めたら私たちが初めてだし、一番になれるかもと思ったのがレシピブログです。そんな形で何かを掛け合わせることによって誰もやっていない穴を見つけ出すことが好きなんです。さらに、時代的に伸びていくテーマなのかということも考えます。一時のブームではなく、定着していくかどうかという視点を様々な裏付けで検証します」

アイデアは活かされる場所がある
お取り寄せが次に来る!と粟飯原氏が感じたのは前職リクルートの新規事業開発室にいたころであった。しかし、アイデアを形にする場所は会社の事業としてではなく、自身でを選んだ。
粟飯原氏「お取り寄せをテーマにした事業を思いついたのは2000年ぐらいの時。まずは、otoriyose.netというドメインを取得しました。2002年頃にお取り寄せ時代がくると確信し、会社を辞めて、今も共に働く初期メンバーとともに2003年にお取り寄せの情報サービスをスタートしました。その頃はまだお取り寄せをテーマにしたサービスは世の中に全然なくて、初めたころはなんのこと?と言われたこともあって。そんな時は、『美味しい食品を通販で取り寄せることをお取り寄せって言うんですよ』と説明を始めるというスタートでしたね」
思いついたアイデアを機が熟したタイミングでスタート。行動力、時代を見極める目があってのこと。
粟飯原氏「そもそも、新しいことを思いついた時にすぐに試したいタイプなんです。NTTとリクルートという大きな会社で新規事業の開発室にいたので、新しいアイデアを日々考えていました。でも、会社の事業として採用してもらうためには高いハードルがあるので、“適想適所”の大切さを感じていました。どんなに面白いことでも、それが生かされる場所でないと意味がない。大企業の新規事業のハードルを日々感じていたので、個人で出来るものは個人で実現するほうが良いと思いました。独立してからは会社でやっていることを少しミニマムにして自分たちでやるとこうなるのかなというのを試しながらやっていました」
粟飯原氏は他にも思いついたアイデアがいつか実現するときに必要なドメインを多く所有しているという。
粟飯原氏「ドメイン貧乏なんです(笑)。父親の影響だと思います」

Profile

長く愛されるサービスの創り方
粟飯原 理咲
粟飯原 理咲
アイランド株式会社代表取締役/インターネットサービスプロデューサー。国立 筑波大学卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社リクルート、総合情報サイト「All About」マーケティングプランナー職勤務を経て、2003年7月より現職。生活者の視点に立ち、同社にて「おとりよせネット」「レシピブログ」「朝時間.jp」などの人気サイトや、キッチン付きイベントスペース「外苑前アイランドスタジオ」を運営中。日経ウーマン誌選出「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」2000年度ネット部門第1位、2003年度同賞キャリアクリエイト部門第6位受賞。2011年より、日経産業新聞にて「トレンド語り」コラムを担当。