クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
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BTLでは2回にかけて、滋賀大学で日本初となる「データサイエンス学部」創設の経緯に触れ、更に、ビッグデータを活用した保険関連サービスの高度化に関する調査研究を推進するための「日本セーフティソサイエティ研究センター(JSSRC)」の設置について特集した。今号では、データサイエンスによってビジネスをどのように解決できるのか具体例を交えて紹介したい。また、滋賀大学として先を見据えた「大学院データサイエンス研究科」創設構想のプロセスに迫る。

月に1回の研究会風景

データサイエンスでビジネスを解決する
IoTの普及に伴い、膨大なデータを取得出来る時代になり、それらのビッグデータをどのようにビジネスに活用出来るかというのは、多くの企業において一つの課題でもある。そこで、JSSRCの副センター長 大沼氏へ、データ分析についてどのような考え方でビジネスと関連づけているのか、話を聞いた。
大沼氏「データ分析する際、簡単な解析で解決出来ることも多く、複雑なものよりも実はシンプルなものがベターなこともあります。例えば、商品の推薦ロジックを考える際に、それまで購入された商品に近いもの、また他の人が自分の買った商品と一緒に買ったものがおすすめに入ったりします。ただ、そういったロジック以上にニュースなどで全く関係ない商品が取り上げられたら、そっちが売れたりするのは事実です。つまり、ユーザーの特性やレコメンドロジック以上に、世の中の『インフルエンス』を掴んだ方が良いかもしれないということです。自動車の事故回避を考える場合も、ドライバーが運転以外の何に気を取られているのか?などダイレクトに分かった方が、早く解決すると思いますね」

データサイエンスを応用させていくには、基礎学力が大切
いおいニッセイ同和損保からデータサイエンティストとして参加する3名の研究員より、研究会に入ってみて大切だと感じたことを次のように話してくれた。
研究員「この4月から研究会を開始して数ヶ月経ちますが、データサイエンティストとしての基礎学力が大切だと感じています。研究会では、実データを使って議論を進めていくのですが、理論が分かっていないと追いつきません。そういった意味でも、データサイエンティストを育成するための専門学部が出来たのは、とても有効的だと思います」
こういった取り組みによって、ビッグデータの取扱いを強いられている企業からの問い合わせも増えているという。データ活用化を考えると同時に、それらデータを取り扱えるデータサイエンティストの育成も企業としては急務である。滋賀大学では、社会人もデータサイエンスを学べる大学院の創設に向けても動き出している。
笛田氏「本学では人材育成や共同研究等に関し、多くの企業との連携を進めております。企業側では社員の高度化に関し、課題と関心を抱かれており、このような状況を踏まえ、2017年4月に創設したデータサイエンス学部の学年進行を待たず前倒しで2019年4月に『大学院 データサイエンス研究科』設置を構想しており、現在、文部科学省と調整を進めています。先般実施した企業への大学院ニーズ調査においても、想定している定員をはるかに超えるニーズがあり、データサイエンティストの育成が急務であることを実感しています」