クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.29
テクノロジー
2017.11.16

顧客との意思疎通 アプリ開発をスムーズに進行させるポイント


開発の現場では、開発スピードを上げることや情報共有が思っていたほどスムーズにいかないことがある。今回は、株式会社USENが運営しているグルメ・レストラン情報を提供するサイト「ヒトサラ」のスマートフォンアプリを開発した株式会社村田ソフトウェアサービス(以下、MSS)の大西氏と池田氏、そして株式会社USENの相澤氏に、開発時にスムーズに進行させるポイントや、コミュニケーションについて話を伺った。

アジャイルでのアプリ開発
接待やデートなど、ここぞという時のお店を探せる「ヒトサラ」。昨年、普通に飲食店を紹介するサービスから「検索+読み物」へ変化していくためにスマートフォンアプリ開発プロジェクトが立ち上がった。
相澤氏「スピードとクオリティ、こだわったUI/UXを正しく実装できるという点から、MSSにお願いしました」
開発手法は、全体のなかで核となる部分から開発を進め、短期間で小さな成果物を作り、検証することを繰り返すことで最終的な成果物を作り上げる、アジャイル開発で行われた。

技術的な制約と上手く共存する
アジャイル開発の場合、1週間や、2週間という単位でリリースを繰り返しながら開発を進める。今回はiOSとAndroid異なるプラットフォームでの開発。iOSで出来て、Androidで出来ないことも発生する。その逆もまた然り。双方で展開するにあたり、コストを抑えつつ、機種間での違いを小さくするため、どのように進めたのだろうか。
池田氏「市場におけるAndroidのバージョン普及率や、搭載する機能がそのOSで実現できるのかをもとに、まずベースとなる端末を決めました。次に、ネイティブアプリでは見た目によらず、実現することが難しいことがあります。iOSでは画面下部に表示される  ナビゲーションが基本ですが、Androidでは横から表示されるナビゲーションドロワーが一般的です。両方とも同じように実装することは技術的には可能ですが、プラットフォーム別にあるナビゲーションルールを壊してしまうと、開発の工数も跳ね上がってしまいま す。それであれば、プラットフォームに応じたナビゲーションや機能を採用することで工数を削減しました」

動きのコンセプトを具体化させる
アプリだからこそ出来ることの一つに、気になるお店をフリックするだけで簡単に「行きたいお店リスト」を自由に作成出来る機能がある。直感的な操作をどう表現したのか。
大西氏「表示されるプルダウンメニューや画面の動きにしても、お客さまの頭の中で描かれているイメージがあります。例えば、ふわっと表示させたいや、かっこよく表示させたいといったようにです。その要望を、どうやってアプリで表現するのか。ガラケーの時代からエンターテインメントアプリを制作し、演出や動きなどを追求してきた経験がMSSの強みでもあります。横フリックでのUI操作も、親指1本で操作が行えるというコンセプトを具現化することができました」

お客さまや開発チームとのコミュニケーション
開発過程で、やりとりを円滑に進める上で、コミュニケーションギャップが課題となることもある。コミュニケーションを取る上で意識しているポイントがあるという。
池田氏「担当者の先にいる人にも伝わるように意識しています。現場では当たり前に使っている言葉でも、伝わらないこともあります。例えば『プッシュ通知』。メッセージが配信される裏側の仕組みや、運用時のオペレーションなど図解することも一つです。エンジニアへは、機能よりの説明ではなく、どういうシーンでユーザーが使う機能なのか意識共有した上で開発を進めています」

編集部の視点
言葉では伝わりにくい抽象的な表現をどう具体化させ相手に伝えるのか。そこの工夫が、コミュニケーションを円滑にし、開発をスムーズに進行させるためのポイントになる。それを開発側も、依頼する側も意識することで、より良いものを作りあげることが出来るのではないだろうか。


■株式会社村田ソフトウェアサービス