クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.30
テクノロジー
2017.12.20

未来を担うIT志士たちのプログラミングコンテスト


#procon28

課題部門テーマ:スポーツで切り拓く明るい社会
2017年10月8日(日)〜9日(月)、山口県の大島商船高等専門学校で開催された第28回プログラミングコンテスト(以降、プロコン)の本選。BTLでは2回に渡ってプロコン開催の意義について紹介してきた。プロコンでは、「ただプログラミングができればよい」ではなく、「何故、そのアイデアを思いついたのか」「どのような理論と技術を使って問題解決するのか」などを明文化する能力が求められることを紹介。また、3つの部門(課題部門、自由部門、競技部門)でそれぞれ競うことになっているが、多角形のピースを長方形の枠にはめてパズルを完成させる競技部門では、制限時間内で完成させるための「分析力」「課題発見力」「問題解決力」が問われるということなどを紹介してきた。
プロコン連載ラストの今号では、課題部門のテーマ「スポーツで切り拓く明るい社会」で見事、文部科学大臣賞・最優秀賞・情報処理学会若手奨励賞に輝いた鳥羽商船高等専門学校の『STEPースコアブックと連動する動画閲覧システムー』と、優秀賞に輝いた弓削商船高等専門学校の『BLOOD ピッと!』に肉薄。企画力、技術力、プレゼン力などにおいて学生ならではの柔軟性のある内容でありながら、プロのエンジニアやビジネスパーソンが顔負けするほどのサーベイ力、課題解決のためのロジック展開力、プロデュース力を併せ持つ。両学校ともに共通点としてあるのが、現状の「課題感」からの着想。課題を解決することで「多くの人のためになるもの」を作ろうとする意欲の高さがうかがえる。両校のシステム概要と、コンテスト審査委員の講評と合わせて紹介したい。





最優秀賞 『STEP−スコアブックと連動する動画閲覧システム−』
鳥羽商船高等専門学校

ターゲット部活動をする学生

システム概要
1.記録を「つける」
2.自動集計されたスコア表・ダイジェスト動画を「みる」
3.独自の入力フォーマットを「つくる」

特徴
これまでのスコアブックは、リアルタイムに映像連動が出来なかった。「STEP」では、スコアブックに記録したデータに連動する映像をリアルタイムで閲覧が可能となっている。本校のバレー部でトライアルしたところ、リアルタイム閲覧はもちろんのこと、後の情報共有、検索が簡単に出来るようになった。

考察
ありそうでないもの、且つ何よりも「あると便利になるもの」の視点が優れており、審査委員の講評でも「完成度、実用性、汎用性」が高いシステムであるという評価を受けている。また、このようなシステムにおいて「UI」の考え方は非常に難しいが、その辺りの評価も高い。今後、あらゆるスポーツへの展開、分析機能の実装等をしていくことで、スポーツに関わる人たちの戦略的パフォーマンス向上への期待が持てるだろう。




優秀賞 『BLOOD ピッと!』
弓削商船高等専門学校

ターゲット:健康を気にする人、アスリート、糖尿病患者、高齢者

システム概要
非侵襲型センサで血糖値と血中酸素濃度を取得し、Bluetoothでスマートフォンと接続。記録した数値の傾向と事前に受けるメディカルチェックから健康状態を確認出来る。また、最適なHbA1c(ヘモグロビンA1C) に近づけるためのトレーニングメニューを提案する。

特徴
一般的な血糖値計は、血液を採取する浸透型のため痛みなどの負担が大きい。そこで、非浸透型センサを独自開発。取得した血糖値から、最適な血糖値に近づけるためのトレー ニングを提案する。尚、トレーニング前に低血糖が確認された際には、捕食の指示をする。また、Sp02&Clucoセンサの制度調査を、ISO企画のEGA法で行った結果、実用レベルであることが確認されている。

考察
これまでの採血による血糖値測定を、指先の熱によって測れるセンサは画期的である。講評では、「センサ開発における理論的な調査力に優れている」という評価が目立つ。また、こちらの作品もUIへの評価が高い。一部、これまで非浸透型センサの採用に至らなかった理由を知りたいという声がありつつも、既に実用化に向けて興味を持つ企業があると言う。