クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.30
テクノロジー
2017.12.20
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スポーツも多様化時代へ「ゴルフ」愛好者の変化に対応し課題解決へ迫る


ゴルフ競技は、リオ・オリンピックで正式種目となってから、2020年東京オリンピックでも正式種目となるなど明るい話題がある。一方で、ピーク時には約1,200万人いたと言われている日本のゴルフ人口は、最新のレジャー白書2017では550万人へと減少している。もちろん、各ゴルフメーカーもゴルフ愛好者を増やすための施策に余念はないが、ゴルフにもっと親しんでもらうためには、変化がめざましいウェブ環境においても、もっとアクセスしやすい対策が必要なのではないか。今回、複数のゴルフブランドを持つメーカー大手ダンロップスポーツのゴルフブランドの1つ「Cleveland Golf」の制作を手がけるヨーク社山本氏へ話を聞く。

ゴルフ市場でも「多様化」の波が訪れる
ゴルフ人口の減少が続く理由の一つとして、スポーツ業界においても「多様化」が進んでいることがあげられると山本氏は語る。
山本氏「ゴルフに限らずですが、屋外スポーツ全般は多様化が始まっていて、分野の分散化が進んでいます。スポーツ番組でも以前は野球、ゴルフがメインで扱われていましたが、今は様々な分野のスポーツが親しまれています。また、モバイルゲームやeスポーツなど室内でプレイするツールも増えていることも理由の一つとしてあると思います。ゴルフ人口の年齢層では、中高年化が進みつつあります。その一方で、女性や若年層をいかにして取り込めるかがゴルフ業界の課題です」
こういった市場のなかで「Cleveland Golf」では、どのようなクリエイティブ改善を行ったのか。
山本氏「『Cleveland Golf』はアメリカのカリフォルニア州で生まれたブランドです。そのため、ブランディング上、アメリカンテイストは残しつつ、日本のゴルフ愛好家の人たちがアクセスしやすいウェブ環境を作りたいという要望を受けました。そこで、現代の若年層はiPhoneなどのスマートフォンでのアクセスが多く、中高年層はiPadの使用が多いことから、モバイルアプリでのアクセスにも対応させるために、ゴルフ業界の中ではいち早くレスポンシブ化し、手軽に親しめるコーナーを用意することなどの施策を打ちました。目玉のひとつであった、クラブヘッドの刻印色を全11色の中から選んだり、バックフェースにレーザー刻印で絵柄を施せるなど『デザインをカスタマイズできる』サービス、『MY RTX(マイローテックス)』の認知度が高まったと同時にウェブサイトへのアクセス数を伸ばすことが出来ました。また、『Cleveland Golf』は男性プロゴルファーだけではなく、多くの女性プロゴルファーが愛用していて、国内の女子ツアーではClevelandウェッジの使用率が№1だという事実もあります。Clevelandウェッジは男性向けのイメージがあるようですが、女性ゴルファーにも幅広く支持されており、女性ゴルファーも楽しめる、使いたくなるホームページの制作を心掛けています」

埋もれていたコンテンツを前面に持ってくる
サイト改善を行うなかで、単純なプロダクト紹介だけではなく上手く「コンテンツ」を出し、潜在的ユーザーへアプローチしていく手法も、今では当たり前の動きとなっている。
山本氏「デザインのカスタマイズを楽しめる『MY RTX』のコンテンツは、元々は印刷物で紹介していたものをウェブへ転換させてウェブコンテンツとして強化しました。ホームページ上でカスタマイズしたデザインをfacebookにシェアして遊び感覚でブランドに触れてもらいたいという要望に応えることに加え、カスタマイズ後のデザインをpdf化させ、店頭で見せると注文に結び付けられる仕組みを提案し、その仕組みも取り入れられることになりました」

編集部の視点
既にゴルフの経験がある人、一度はゴルフに接触したことのある人たちの囲い込み施策は概ね成功しているのではないかと見て取れる。一方で、少子高齢化が進み多様化時代を迎える日本において、あらゆる消費市場に変化が訪れることは明白で、戦略的なマーケティング施策と迅速な判断が求められている。ゴルフにおいては若年層や女性層の新規囲い込みのための抜本的な改革が迫られている市場であることは間違いないだろう。



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