クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.38
テクノロジー
2018.08.22
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身体でアートを体験する 世界に類をみないデジタルアートミュージアム

Borderless World

お台場に2018年6月21日にオープンした「森ビル デジタル アート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」。約1万 平方メートルという広大な敷地に繰り広げられるのは、複雑で立体的な空間に光や音、映像によって表現された美しいデジタルアートの数々。森ビルとチームラボのタッグで実現した今回のミュージアムはどのようにして生まれたのか、森ビル の杉山氏に話を伺った。

日本の美を世界に発信する
チームラボと森ビルは、これまでも様々な場面で一緒にタッグを組み、街の中にアートを展開してきた。そこには、東京という都市のプレゼンスを高めていきたいという共通の思いがあるという。
杉山氏「森ビルは『都市をつくり、都市を育む』会社として。チームラボは『日本を代表し、世界に向けてこれまでの常識を大きく超える作品を発信し続ける』アーティストとして。2020年とその先の未来に向けて東京という都市の磁力を上げていきたいという両者の思いが一致し、今回のデジタルアートミュージアムが実現しました」

チームラボアスレチックス 運動の森

本施設のコンセプトである「Borderless」には、「作品と作品」「作品と鑑賞者」「自己と他者」の境界を曖昧にしていくという意味が込められている。
杉山氏「デジタルアートを通してこれら3つの境界を曖昧にすることで、自身の価値観や社会の既存の枠組みを考え直すきっかけをつくる空間を提供できたらと考えました」
本施設は5つの世界で構成されているが、いずれのエリアもお互いが影響し合い、境界のない連続的な空間が広がっているのが特徴だ。中でも「Borderless World」では、作品の中に描かれた生き物たちが、部屋から出て別の部屋へ移動し、他の作品とコミュニケーションし合う。身体を動かしながらアートに触れ合う「チームラボアスレチックス 運動の森」は、空間認識能力を鍛える新しい創造的運動空間になっている。空間認識能力はクリエイティビティやイノベーションにおいて主要な役割を果たすといわれている。それは自らの身体で空間を探検し歩き回ることで発達する。ただ、現代の子供はスマートフォンやテレビなど平面情報に囲まれ、森や山など自然の中で自由に遊べていないのではないかという考えのもと生まれた体験型のアート作品だ。その他にも、創造性や共創をコンセプトとした教育的なプロジェクト「学ぶ!未来の遊園地」や、神秘的な空間を味わえる「ランプの森」、点てたお茶  に無限に花が咲く「EN TEA HOUSE」といった5つの世界を探検できる。
チームラボの作品の魅力を杉山氏は次のように語る。
杉山氏「チームラボがつくりだす世界は最先端テクノロジーによって生み出されていますが、作品のテーマとして東洋的な美や日本の原風景、そして日本人が古くから自然と共に生活してきた様子などがモチーフになっています。デジタルでありながら、私たち日本人にとってはどこか懐かしく温かみを感じさせてくれるでしょう」

EN TEA HOUSE

ランプの森

編集部の視点
海外の観光客も全体の30%以上と、数多く訪れており、世界からも注目されていることを改めて実感しているという。訪日観光客の多くは日本の文化を知る、体験することを目的にしてやってくる。日本らしいクールな最先端テクノロジーと歴史を感じさせる風景の美しさ。日本の美と技術が詰まったアートが、世界中から人々を集める磁力のひとつとなるだろう。


森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス
開業日:2018年6月21日(木)休館日:第2・第4火曜日
所在地: 東京都江東区青海1-3-8(お台場パレットタウン)
営業時間:月~木    11:00 -19:00 (21:00)、金・祝前日 11:00 -21:00 (22:00) 、土 10:00 -21:00 (22:00)
日・祝日   10:00 -19:00 (20:00)※()内は6/21(木) - 8/31(金)までの特別延長時間。
料金:一般/高・大学生3,200円、子ども(4歳~中学生)1,000円
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