クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.25
TIEUP
2017.07.14

農業はクリエイティブだ vol.1

Lettuce Innovation
経験30年イノベーターのあくなき挑戦
「レタスがみずみずしく美味しい」理由に迫る

群馬県昭和村の標高500mにあるレタス畑。
収穫直前のレタスは、早朝まで降っていた雨のおかげか、みずみずしさが極まる。
安全で美味しいレタスは、自然と人の共存で創り出せるクリエイティブであった。



「野菜がかさばって食べにくいハンバーガー」のCMが印象的なモスバーガー(以降、モス)。野菜がかさばるのは、こぼれる程の野菜をたっぷりと使っているからだろう。そこで「なぜ、モスは野菜にそこまでこだわるのか?」と気になったBTL編集部は、野菜を作っている生産者のもとへ理由を探りに行った。
モスでは、レタスやトマト、キャベツをハンバーガーの具材にしているが、今回はその中のレタスに着目。「モスの協力農家」が栽培した野菜で、どこの生産地で誰が作ったものなのかがわかる。モスこだわりの「想いが見える野菜」だ。モスでは全国約3000軒の農家と契約している。安全で美味しいレタスを作り、店舗へ届け、そしてお客様へ提供するまでの徹底したトレーサビリティ(物品の流通経路を生産段階から最終消費段階まで追跡可能なこと)は、まだまだ日本の農業は捨てたものではないことを気づかせてくれる。日本の食糧を支える源泉を、レタスを通じて紐解く。


日々変化する自然にどのように向き合うのか?

バンズの代わりに「レタス」を使用した『モスの菜摘』は、昨年定番メニューとなった。菜摘1個あたりのレタス使用量はレタス40〜50gとボリュームがある。このボリュームは、健康な土からできたレタスでなければ美味しさを出すのは難しい。さらに安定した供給量が求められる。「レタスが安心安全で美味しい」理由を探るため、群馬北部の昭和村にある野菜くらぶを通じてレタスを出荷しているサイエンズ代表 竹之内氏に話を伺った。竹之内氏は、10代の頃より父のレタス栽培を手伝い始め、30年以上のキャリアになる。しかしどんなに長く経験を積んでも、日々変化する自然との対話にはゴールはないと言う。
竹之内氏「この畑では、気候的に春から夏にかけてレタスを作ります。レタスは天候に左右されやすいですが、そこも含めて『どう克服出来るか?』を考えることがとても面白いのです。日々、作物の表情が変わるので、その変化を見ながら美味しいものが出来たときや、想像していたものが出来たときはとても達成感がありますし、それを目指し日々取り組んでいます」


「誰よりも美味しいレタスを作りたい」レタスとの対話

不安定な天候と、ダメージを受けやすい露地レタスとの対話は、高いモチベーションが必要である。その高いモチベーションを持ち続けられる竹之内氏の根底にあるものは何なのか。
竹之内氏「昔、プロのスノーボーダーとして活動をしていた時、良い記録を出せるように挑んでいましたが、今は『誰よりも美味しいレタスを作る』という思いで日々闘っています(笑)。人と向き合うのと同じようにレタスに向き合っています。例えば、人が食事だけでは補えないものをサプリメントで補うように、レタスにも肥料だけではなくミネラルを与えたりして日々研究しています。そういった取組みを行った後、モスへ出荷されると、誰に食べてもらえているのかが明確に分かる。それは生産者にとって大きなモチベーションになります」
不安定な天候との対話から生まれる見た目にも美しい野菜、そして味わって美味しい野菜は、とてもクリエイティブである。


シャキシャキ感」のための、ひと手間

なるべく、農薬や化学肥料に頼らない栽培を行ったのちにモス店舗へ、生産履歴(必ず出荷前に産地台帳を提出)を管理し、いつでもトレースできる状態で届けている。さらにモス店舗においてシャキシャキ感を提供するために、「冷水4度」にやさしくひたす技が施されている。



生産イノベーター
株式会社サイエンズ 竹之内光昭氏
農業経験30年。会社設立から5年目。会社名はサイエンス(科学)と菜園の掛け合わせに由来している。元プロスノーボーダー。現在もスノーボーダー育成のために学校長として従事。