クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.25
TIEUP
2017.07.18

「どこかにマイル」で地方活性化が加速する 観光ポテンシャルの高さを誇る和歌山に迫る

2回にわたって特集をしてきた「どこかにマイル」。今号では、南紀白浜空港がある和歌山に着目。地方自治体の立場として「どこかにマイル」をどのように捉え、観光誘客や経済発展につなげていくのが良いか、東京交通会館内にアンテナショップを構えるわかやま紀州館 館長の谷中一良氏へ取材を試みた。


「特産物、名所、温泉」観光ポテンシャルが高い和歌山

6月に旬を迎える「梅」の生産量日本一を誇るのが和歌山である。その他、みかん、柿、桃も特産品として並ぶ。また、世界遺産に認定された高野山、熊野古道を始め、真っ白い砂浜が特徴の白良浜海岸、ジブリ作品『天空の城ラピュタ』を思い起こさせることで一躍有名になった友ヶ島、そして日本三古湯のひとつに数えられている南紀白浜温泉。一言では語りきれない魅力がある中、昨年末に始まった「どこかにマイル」によって観光地としての受け入れをどのように考えているのか。長年、地元PRに携わる谷中氏は、次のように話す。
谷中氏「とても観光ポテンシャルが高いのが和歌山の特徴です。一度足を運んでもらえれば、和歌山の良さに気づいてもらえてリピートされる方も増えるのではと思っています。ですから、和歌山の魅力をしっかり伝え、首都圏から誘客につなげていくのが私たちの役目だと考えています。そういった中で、どこかにマイルはとてもありがたい企画で、関東からJALご利用のお客様がいらっしゃることをきっかけに、和歌山ファン拡充へのチャンスだと捉えています」


逆輸入的なPR方法に気づき、どう伸ばせるか

ブランド総合研究所が毎年発表する「地域ブランド調査」の47都道府県別魅力度ランキング2016では、上位に京都、奈良、大阪と2府1県が入り、関西圏は魅力都市の激戦区である。こういった中でどのように差別化をはかりPRを行うかは、工夫のいるところだと谷中氏は言う。
谷中氏「足を運んでいただいた方からの口コミやSNSでの発言も大切ですが、先に海外で話題になってから、日本人が気づいて知るというケースが最近は増えています。例えば、和歌山発祥の特産物に『ぶどう山椒(ぶどうのように連なった山椒)』があります。山椒というと、日本では『ちりめん山椒』や、鰻に振りかける香辛料として食すことが一般的です。それが、ヨーロッパのシェフたちは、チョコレートに混ぜてスイーツの食材にするなどといった新たな使い方をされています。海外の動きを敏感にキャッチし、日本でも再認知されるという、この『逆輸入的』なPR方法は、今後も意識したいポイントです」


観光客数の引き上げの鍵は、「JALと地方自治体の連携」にある

また、観光客数の引き上げとしてJALとの連携の強化策も見えてくる。
谷中氏「この数年、日帰りの観光客数は伸び続けていますが、今後は、和歌山としての経済的メリットを考えると宿泊を伴う観光客数を伸ばしていかなければと考えています。一つは、プレミアムフライデーが始まったので、羽田発16:30、南紀白浜着17:45便を活用して、地元企業と連携を図り、和歌山としての受け入れ体制を整えるなどです。どこかにマイルの取組みをきっかけに、地方自治体とJALが更に一体となっていけるような仕組みづくりを行うことが地方活性につながると思いますので、定期的に情報交換の場を設けてもらえるとありがたいなと思いますね」
現在JALでは、羽田|南紀白浜間の運航を1日3便行っているが、人気が高まり、2017年8月1日から機材大型化が決定している。今後、「どこかにマイル」の発着がある地方都市ごとに、JALとのより深いつながりを持つことで、本質的な「地方活性化」に向けた大きな期待が持てるのではないだろうか。


和歌山県参事 観光・物販担当
わかやま紀州館長
谷中 一良


編集部の視点
BTL編集部で、インスタグラムを中心に和歌山にまつわる関連ワードで検索したところ、白良浜、友ヶ島、高野山、和歌山城、熊野古道など、それぞれの名所で、ざっと数万単位の投稿数が見られた。それらはとてもフォトジェニックで、一度訪れた人がリピートするというのがよく理解出来る。今後、「どこかにマイル」の利用者が体験した旅の良さが、より可視化されるような仕組みが生まれると、旅の楽しさも更に拡がり、結果として「顧客・企業・社会」の三方よしのイノベーション創出につながるのではないだろうか。