クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.31
TIEUP
2018.01.15

海外モス約350店舗へ広がる人気の「SUSHIバーガー」はネーミングに秘訣あり


「台湾でモスバーガーをやりたい」の一言から始まる
日本のみならず海外でも約350店舗の展開を行うモス。どのようなきっかけで海外展開が始まったのか。また、海外でオープンするにあたって苦労した点について福光氏が次のように話す。
福光氏「本格的な海外展開の第一号店は台北市でのオープンだったのですが、知人の紹介で創業者の櫻田慧のもとに『台湾でモスバーガーをやりたい』という声をいただいたのがきっかけです。オープン当時、既に他社のハンバーガーショップが台湾で出店していて、ハンバーガー自体の市場開拓がなされていたタイミングだったこともあり、モスとしてはちょうど良い時期にオープンとなったと思います。ただ、どの場所にオープンするのかについてはとても苦労しました。日本では、首都圏における移動手段が鉄道だったことで必然的に駅周辺が一等地になりますが、台湾の場合は駅周辺にマーケットが広がっているというものではなかったんです。当時はまだ、鉄道よりもバイクが移動手段の中心で、幹線道路沿いのどの辺りにするのかすごく考えました」
海外展開の約7割を台湾が占めている。その理由として、日本と共通する食文化があった。
福光氏「台湾の人たちの食文化は、味の嗜好性がとても日本に近いと思います。また、親日の方が多いこともあり、良いものということが分かると、すんなり受け入れられたところがあります。その結果が、台湾での250店舗以上のオープンになっているのだと思います」

中華圏では、とにかく「モスライスバーガー」が人気
日本と同様に「お米」文化のある中華圏。人気メニューの傾向を次のように話す。
福光氏「中華圏である中国、台湾、シンガポールではモスライスバーガーが人気の傾向にあり、人気メニュー上位にモスライスバーガーが入っています。また、パティに関しては日本では柔らかくジューシーな肉が好まれますが、海外では歯ごたえがある肉が好まれます」
更に、味覚の嗜好性についても各国の特徴がうかがえる。
福光氏「味の濃さの好みは、国によって違います。実は日本は、味(塩味)が濃いめです。ベースの味はどの国も共通なんですが、塩味と辛味の違いが明確にあるのが、タイ、韓国、台湾です。塩味は薄味ですが、辛味はしっかりと利かせる方が好 まれるのです。例えば期間限定メニューとして韓国で人気だった豚キムチバーガーは、辛味のある味に仕上げました。また、ミートソースの代わりにチリソースなどを使って辛さを引き立てるなど、国によって嗜好性は変わります」

オーストラリアでは「ライスバーガー」が通じない
日本では一般化している「モスライスバーガー」という商品名が、国によっては通じないと言う。その理由から、海外からの日本の見え方を垣間見ることが出来る。
福光氏「現地では、ネーミングがとても大事です。例えば『モスライスバーガー』はオーストラリアでは通じませんし、『かきあげ』も同様です。代表的な日本食を『寿司』『天ぷら』として覚えられていることもあって、オーストラリアでは日本で言う『モスライスバーガー』を『SUSHIバーガー』へ、『かきあげ』を『天ぷら』にしました。そうしたことで認知が進み、人気メニューへと飛躍しています。他にも、期間限定で販売していた『お好み焼きバーガー』は『大阪焼きバーガー』とネーミングに工夫をしています」
商品設計についても、常に熟考している。
福光氏「オーストラリアでは、一般的に専用のケースに入っているハンバーガーを手で掴んで潰しながら食べるのが主流です。しかしモスは、たっぷりの野菜とソースが挟まれていて、袋から出さずに食べるスタイルです。これを何度も推奨したのですが、なかなか受け入れられず、オーストラリアではパッケージを工夫しました。更に、『モスライスバーガー』は海苔をU字で巻くことで食べやすいスタイルをつくり、『SUSHIバーガー』は2位の人気メニューとなっています」