クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.32
TIEUP
2018.02.16

「モスらしさ」を大切にしながらチャレンジする にくにくにくバーガー


健康的なモスというイメージを壊しつつも実は・・・
モスでは様々なアイディアとユーザーの声を汲み取りながら新メニューが開発されているが、「にくにくにくバーガー」という商品はどのような経緯で誕生したのか。
堤氏「これまで医食同源という考えを元に商品開発を行っている中で、カロリーハーフマヨネーズタイプを使用したり、和風ドレッシングを減塩タイプのものにしたり、小麦、乳、卵、白砂糖などを使用しない『やさしい豆乳スイーツ』など、楽しんでもらえる商品を作ってきました。そして、次の切り口のキーワードとして低糖質、糖質制限でも楽しんでもらえる商品を企画することになりました。糖質を減らすにはバンズやライスプレートを抜くのが一番。バンズやライスプレートが無くてもハンバーガーとしての見た目、そして美味しさも楽しんでいただける商品として企画をしました」

見た目のインパクトだけではない美味しさの秘訣
バンズもライスプレートも使わない、牛のバラ肉と直火焼チキンをハンバーガーパティで挟んだ肉づくしのバーガー。見た目のインパクトは大きく、SNSでも広く拡散された。しかし、肉のインパクトに目を奪われるが、実はとってもモスらしいバーガーであった。
使われている肉はモスオリジナルの焼肉だれに付け込んで焼き上げた牛バラ肉と、塩などでシンプルに下味をつけた鶏もも肉をじっくりと直火焼きし、皮をパリッと中はジューシーに仕上げたチキンとこだわりのビーフパティの三種類。それぞれ、素材と製法がこだわり抜かれている。さらに、糖質制限の方が見落としがちな野菜も間に挟まれたボリューム満点のハンバーガーだ。

イメージを覆す商品が高い人気を集める
毎月29日(肉の日)だけに提供される「にくにくにくバーガー」。当初1週間限定の販売であったが、大きな反響を得て販売期間を2週間に延長し、20万食以上売り上げた商品だ。取り上げられたテレビ番組やSNSで知った方、そして糖質を気にしている方たちに愛され、月に一回しかない販売日(毎月29日)を待ち望むファンも多いという。
堤氏「実際に購入したお客様からは、普段はハンバーガーを2個食べるが、にくにくにくバーガーは食べ応えがあって1つで満腹になるという声(男性)や、糖質を気にしているけど、お肉がたくさん食べられてうれしい(女性)というご感想をいただいています」

「モスらしさ」を守りつつも冒険が必要
新メニュー開発という職は通常の企業においては新規事業開発と通ずるものがあるだろう。従来の伝統、思いを大事にしながらも冒険することが必要。そんな職に就く堤氏が大切にしていることは何か、最後に聞いてみた。
堤氏「元々、モスバーガーのファンでした。自分がモスを大好きなように、モスを好きで選んでくれているお客様。そんなお客様には、ごまかしがきかないんです。他社との差別化を図りつつ、さらにモスらしさを追求してゆく。日常生活においても、いつもいつも新商品のことばかり考えています」

株式会社モスフードサービス 商品開発部 堤氏

編集部の視点
「らしさ」を大事にする。ただ、「らしさ」にこだわりすぎると世の中の流れに取り残されることもある。主観ではなく客観的に自分たちの「らしさ」を大切にしつつ、良い意味で裏切り、革新的なアイデアを形にしていく。言葉でいうのは容易いが、なかなかその壁を超えることは難しい。
モスは変化の激しい世の中から求められているニーズに対して、「らしさ」を大切にしながらもモスらしい、けれども斬新な商品を生み出している。そして新商品は多くのモスファンに受け入れられ、そして新たなモスファンを獲得している。成功に甘んずることなく、常に考え続け、チャレンジするからこそ、多くの人に愛されるモスバーガーがあるのだろう。古きものを大事にし、新しきものを生み出すという姿勢からは多くのことを学べるのではないか。