クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE

モスバーガーを運営するモスフードサービス(以降、モス)。モスの店舗は日本全国で1,344店舗(2018年2月現在)。モスに次ぐ第二の柱としての新業態の確立を急いでいる。今回は、東海、関西地域の大型ショッピングモール内のフードコートで展開されるパスタ専門店「mia cucina(ミアクッチーナ)」の開発について、新規事業開発グループのグループリーダー 森本氏とチーフリーダー 嶋田氏に話を伺った。

ミアクッチーナプロジェクトの始まり
事業の第二の柱となるものを追求しているモス。カジュアルに本格的な味を楽しめるパスタ専門店「mia cucina(ミアクッチーナ)」を2017年11月、愛知県に第三号店をオープン。事業のねらいを森本氏は次のように話す。
森本氏「モスフードサービスは、フランチャイズパッケージを提供するフランチャイズチェーンの本部です。加盟店のオーナー向けにハンバーガー業態の『モスバーガー』以外の業態、『第2の柱』を提供するというミッションがあり、フードコートでの展開を考えました。実はモスは、全体の約10%しかフードコート展開をしていないので、フードコートへさらなる展開の余地があるのではないかと思いました。また、紅茶専門店でありながらパスタも多く提供するマザーリーフの60近くあるパスタレシピの活用も同時に考えました」

プライムツリー赤池店

トップダウン型からボトムアップ型へ
今まで、上層部の決断によって新規事業開発へ移すトップダウン型から、社員立候補制のボトムアップ型に変化したという。
森本氏「今までは新規事業のアイデア、実行はトップダウンだったのですが、社員の主体性、使命感を活かすために、立候補制となりました。立候補で集まったメンバーが会議を重ねて、競合や、既に出店しているところを見に行きお店をイメージします。その時に出店から三年間のシナリオを描き、そのシナリオ通り展開できているかを再度会議で確認しています」
マザーリーフのレシピという既存の資産を元に始めた事業だったが、全てがスムーズに進んだわけではない。試行錯誤を何度も重ねた。嶋田氏は完成までの道のりをこう語る。
嶋田氏「フードコートでは、時短を重要視して生麺を提供しているお店が多いのですが当社ではそうした店舗との差別化が図れ、当社のレシピにも合致する乾麺を選択しました。8分間のゆで時間は大きなハンデですが、やはりモスとしてのこだわりを大切にしていきたいなと思っています。ソースについても一から作り直したものもあるので相当な時間がかかりましたね」


お洒落においしく楽しい食事
フードコートでの展開は施設内での営業になるため、営業時間や販売促進には制限がある。しかし、ここでも「モスらしさ」が見えた。それは、全事業に共通する、モスの食材のこだわりだけではない。女性をターゲットとした、店舗デザイン、食器、コスチュームなどのトータルデザインにもこだわっている。
嶋田氏「フードコートでの展開のため、ターゲットはファミリー層、特に女性です。フードコートであっても、お洒落においしく楽しく食事をできるというのがコンセプトです」

四番打者となる商品の開発
フードコート業態からスタートしたミアクッチーナ。二号店・三号店を出店し、成功を収めているが、今後独自のブランドをどのように展開していくのか。
森本氏「確かにミアクッチーナで一番売れている商品はあります。ですが、モスバーガーのように『四番打者』になれるものはまだないんです。代名詞になるような商品の開発が今後の課題です。また、フードコート業態でスタートしたのですが、路面や駅ナカでの展開の可能性も感じています」

編集部の視点
フードコートといえば、手軽な食事を想像するだろう。しかし、昨今チェーン店が集まる郊外型のフードコートとはちがった「フードホール」が注目されている。それは、洗練された本格的なものがカジュアルに楽しめる店の集合のことを言う。こだわり食材を使用し、おいしさを確実なものとしながら、新たな「らしさ」を追求し続けるモスの新業態ミアクッチーナ。気軽に本格的なパスタを楽しめる。それは、既存のモスファンだけではなく、新たな顧客も魅了するだろう。

Interview
モスフードサービス/左:森本氏 右:嶋田氏