クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.41
TIEUP
2018.11.15

焙煎の技術と探究によって味わえるドトールのコーヒーのこだわり

BTL前号では、ドトールコーヒーの菅野眞博氏から、美味しいコーヒーを作るための豆の生産に関する話を伺った。今回は、コーヒーの決め手となる「焙煎」について更に話を膨らませる。自身も焙煎師である菅野氏が、コーヒー作りの極意を語る。


菅野 眞博
株式会社ドトールコーヒー 常務取締役
一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会 理事
1979年ドトールコーヒー入社。一般店営業、営業所長を経て、コーヒーの商品開発を担当するとともに、工場長に就任。現在は新規事業統括本部 統括本部長の傍ら、グループすべてのコーヒーの味を決めている、ドトールが誇るコーヒー賢人。

理想の味を追い求め直火焙煎にたどりつく
一言に「焙煎」と言っても、それは非常に奥の深い技術であることが分かる。焙煎へのこだわりを菅野氏は、次のように話す。

菅野氏「コーヒーの焙煎には、大きく3つの方法があります。熱風式、半熱風式、直火式に分けられるのですが、ドトールコーヒーでは主に『直火式』を採用しています。もともと直火式は、5~30㎏ 程度の少量の豆を自家焙煎するのが主流で、工場生産には不向きとされていました。生豆を直接炎で炙る焙煎法なので、煎りムラができやすく、均一に熱を加えるには高い技術が必要です。じっくりじっくり焼き上げるので焙煎時間も熱風式の約3倍かかり、決して生産性がいいとはいえません。大量生産が前提の大手コーヒーロースターでは前例のないことでした。しかし、ドトールコーヒーが理想とする“香り高く、味わい深いコーヒー”を作るには不可欠な焙煎法だったのです。全国のお客様に、おいしいコーヒーをお届けしたい。それも365日、毎日同じ品質で、新鮮なコーヒーを飲んでいただきたい! その一心で大型の直火焙煎機をオリジナル開発し、何度も試行錯誤を繰り返した結果、完成まで に4年の歳月を要しました。現在、焙煎工場は関東と関西にありますが、焙煎機ごとに専任のプロの焙煎師がつきっきりで管理しています。さらなる安定を目指し、最新システムによるデータを駆使しながらも、最後は熟練の焙煎師が職人的感覚で五感をフルに活用して一釜一釜丁寧に仕上げています」


プレミックスでしか出せない味がある
コーヒー豆には、産地ごとの特徴や個性を味わう「ストレート」と、複数産地のコーヒー豆を配合した「ブレンド」がある。更に、ブレンドの 方法によってコーヒーの味が大きく左右されるのだと菅野氏は語る。

菅野氏「コーヒーのブレンドには、『プレミックス』と『アフターミックス』の方法があります。プレミックスは生豆の段階でブレンドした後に焙煎し、アフターミックスは焙煎した後にコーヒー豆をブレンドします。コーヒー豆は産地によって粒の大きさが違うだけでなく、風味や水分量も違うため、一種類ずつ焙煎した方が均一に火は通ります。結果的にブレンドしやすいので、市販で販売している多くの商品がアフターミックスです。一方プレミックスは、個性の異なるコーヒー豆どうしを1つの釜に入れて焙煎するため、例えるなら炊き込みご飯のように味や香りに一体感のあるコーヒーに仕上がります。ドトールコーヒーが技術的に難しいプレミックスにこだわるのは、それでしか出せない味があるからです」

最後に菅野氏は、美味しいコーヒーを安定的にお客様に提供する為、コーヒー生産地と連携した生豆の仕入れや焙煎機一釜毎の品質管理など、一連の工程管理すべてにおいてトレーサビリティーが取れることもとても誇れることだと締めくくった。


編集部の視点
取材当日、贅沢ながら菅野氏に淹れていただいたコーヒーを飲みながら、ドトールのこだわりについて話を伺った。徹底的に味を追求する菅野氏のコーヒーにかける情熱を感じると同時に、聞けば聞くほど、こんなに手間暇がかかっているのに、美味しいコーヒーが一杯220円で飲めるということに驚く。豆の産地からブレンド方法、焙煎の仕方によって、様々な味が楽しめるコーヒーの奥深さ。出来上がるまでの背景を知った上で飲むコーヒーは、これまでとは違った深い味わいがあるだろう。