クリエイティブ経済誌 BUSINESS TIMELINE
Vol.43
TIEUP
2018.12.14

ドイツ発「130年企業」 渋谷で存在感示す 共創の次へ「コレクティブ・インパクト」【café 1886 at Bosch】

café1886 at Bosch


ドイツに本社を構える企業ボッシュが、渋谷の自社ビル1階に作った共創カフェ「café 1886 at Bosch」。ボッシュは、日本ではBtoB向け自動車部品メーカーとして知られているが、一般コンシューマには残念ながら知名度が高いとは言えない。しかし、創業から132年の歴史を持ち、世界最大規模の非上場企業として売上は8000億ユーロ(約10兆円)、従業員数は40万人にのぼる。ドイツと日本は、歴史的背景やモノづくりで経済発展を成していることなどから、とても近しい精神性を持っているとも言われているなかで、世界のトップクラスである自動車機器サプライヤー企業が、どのような背景で日本にカフェを作ったのか、そして今後日本におけるポジションニングをどのように考えているのか探ってみる。

日本から発信する共創「Platz」の精神
今年、オープンから3周年を迎えたボッシュカフェであるが、企画から店舗立ち上げ、運営に至るまでの陣頭指揮を取るボッシュ株式会社 下山田氏へ、立ち上げにおける背景について話を伺った。

下山田氏「ヨーロッパでは、『Platz(ドイツ語で人々の集う広場)』という考え方があり、都市計画の中に必ず含まれています。街のなかには広場や、マルシェ、カフェなどがあり、人々が集まってコミュニティが作られます。そういったコンセプトをもとに作ったのが、ボッシュカフェになります。スマートフォンの普及により、良くも悪くも人と人の距離が縮まってネッワーク社会化されたように思います。それは、個人への求心力が高まったということだと思いますが、一方で集団としての結束力は低下したように感じます。言うなれば、組織の遠心力です。弊社は世界最大規模の非上場企業ということで、資金調達が非常に難しいので、事業で利益を出してその分を次の投資へ回す必要があることで、どんどん内向きになり外で起こっていることのアンテナが張りづらい状況が出来てしまっていました。そこで、自社ビルの中に外の要素を入れてみることで、外からの人の目を気にするようになるはずという考えもあって、カフェオープンを企画した経緯があります」


渋谷で盛り上がりを見せる「コレクティブ・インパクト」
オープンから3年経った今、「外から人の目を入れる」という考えにもとづいて、どのような効果が出てきているのか。世界全体として課題とされている「社会的価値」を、企業がどのように持つかというところへ繫がる動きが出てきていることを次のように話す。

下山田氏「この『渋谷』という場所にカフェをオープンしたことが、結果的に相乗効果を生んでいるように思うのですが、当初想定していた以上の動きが出てきています。渋谷区では、『コレクティブ・インパクト』に力を入れ始めています。コレクティブ・インパクトとは、組織の壁を越えて社会問題を解決するアプローチのことを言い、その取り組みへ弊社としても参画させていただいているのですが、カフェを使ってイベント開催などを行っています。弊社は、27カ国の社員が働いていることもあり、『渋谷区の国際化をどうする?』というような視点で、役所だけでは解決できないリアルな課題を行政、企業、NPOなど含めてあらゆる立場の人たちが集まって課題解決していく場として、今後も活用できればと考えています」

ボッシュ株式会社
渋谷本社事務所長
下山田 淳

café1886 at Bosch
〒150-8360
東京都渋谷区渋谷3-6-7
03-6427-3207
月〜金 : 8:30〜21:00
土日祝 : 11:00〜20:00
公式サイト:https://www.bosch-cafe.jp/