#エンタメ | 2017/06/15 | 一條 彰子(いちじょう あきこ) | 1view

ビジネススキル向上のヒントは意外な場所にある!

Academic

 昨今、国境や業界がボーダーレス化し様々な事柄が複合している中、ビジネスシーンも加速的に複雑化しつつあります。課題に直面したとき、解決するには情報を集め、自分の持つ知識や経験、感覚を駆使して紐解いてゆくことが必要です。ビジネス力向上のため、ビジネス書を読んだりビジネススクールやセミナーに通ったりする方も多いのではないでしょうか。もちろんこうした活動は大切ですが、違う角度からアプローチすることも重要です。

日本で初めて鑑賞用の椅子を導入。スウェーデン製のギャラリー用チェアは、スタイリッシュなデザインながら、軽くて座り心地も良い。



多面的な思考力を磨く、「五感」を駆使した美術鑑賞

前回ご紹介した対話型の鑑賞プログラム「所蔵品ガイド」では、対話を用いた美術鑑賞によって、ビジネス力向上にアプローチすることができます。
所蔵品ガイドでは、ガイドスタッフからの問いかけに対して、目の前の絵を観察することで自分なりの答えを見つけていきます。これは非常に論理的なアプローチで、数学で問題を解く作業にも似ていますが、数学は答えが一つであるのに対し、美術鑑賞には正解がありません。美術鑑賞とビジネスで共通するのは、「正解がない中から答えを見つけ出す」こと。論理的思考力に加え、柔軟な発想力も必要です。
また、所蔵品ガイドでは一つの作品を15分ほどかけてじっくりと観察します。描かれた風景や人物に自分が入り込んでいると想像することで、五感をフルに使うことができるのです。例えば、作品に描かれた要素を手掛かりにして「この人が見ているのはどんな光景だろう」「カモメの鳴き声が聞こえる」「晴れて暖かそうだ」と想像を巡らせていきます。さらに、自分が想像し感じたことを言葉で伝えることで、周りの人も新たな気づきを得ることができるのです。

ビジネスシーンのコミュニケーションでは、効率化やスピード感が求められる中で、具体的な言葉や数字などを用いた情報伝達が多くなっているのではないでしょうか。ビジネスという場の中でスキル向上を図ることも必要ですが、限られた場だけでは、無意識のうちに思考パターンが固定化されてしまいます。

一條 彰子(いちじょう あきこ)

一條 彰子(いちじょう あきこ)

東京国立近代美術館 主任研究員。セゾン美術館勤務を経て1998年より東京国立近代美術館の教育普及担当学芸員。現在、解説ボランティアを養成・運営しつつ、一般や学校向けの教育プログラムを行っている。2006年より独立行政法人国立美術館本部の主任研究員を兼任。一握りの愛好家だけでなく多様な人々が、美術館でアートを楽しめるようになることを目指し、解説ボランティアを養成・運営しつつ教育プログラムを展開している。また、全国の教員と学芸員向けの研修を行うなどして、子どもへの鑑賞教育の普及に努めている。

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