#エンタメ | 2017/07/14 | 一條 彰子(いちじょう あきこ) | 1view

「アクティブラーニング」が鍵!ビジネス力を高める美術鑑賞

Academic


昨今、教育業界で注目を浴びている「アクティブラーニング」をご存知でしょうか?「主体的・対話的な深い学び」とも言われ、学習指導要領にも取り入れられています。教育現場では、実際に討論やグループ活動を用いた「話し合う授業」が行われています。子どもたちが主体的に意見を出し合う場を作ることで、「生きる力」を育むために必要な「思考力・判断力・表現力」を成長させていくのです。


子供の視点から学ぶ

東京国立近代美術館では子ども向けの美術鑑賞プログラムを実施していますが、子どもたちの美術鑑賞を見ていると、面白い特徴があります。例えば抽象的な彫刻作品を前にしたとき、低学年では作品に入り込み、身体を使って作品の形を表現します。作品について頭で考えるよりもまず、目にして直感的に感じたことを受け入れているのです。更に小学校高学年になると、自分と他者との差異に気づくようになり、自分の意見を発することに恥ずかしさを感じ始める一方で、人の話にも耳を傾けるようになります。こうして「対話による思考」ができるようになるのです。


「クリティカルシンキング」でビジネス力を向上させる

このような対話型の美術鑑賞は、ビジネス力の向上においても効果的ではないでしょうか。この鑑賞方法では、子どもが実践しているような、無意識に持つ直感的なものの見方や、他者と自分の意見を照らし合せながら複数の問いを立てていく「クリティカルシンキング」と似た思考プロセスを体験できるのです。これはビジネスの場でも有効な能力です。ビジネスにも美術鑑賞にも、決まった答えはありません。ここでは美術鑑賞と言っても、作品に関わる知識を学ぶのではなく、本物の作品を実際に目にすることで得られる膨大な情報を、自分が持っている経験や知識を使って読み解いていくことが大切です。さらに相対するその作品について人と対話をする中で得られた視点や情報に対し疑問を投げかけていくことで、思考をより深め自分なりの答えを追究していくことができるのです。皆さんは課題に対していつもと違う環境に身を置くことで、思いもよらない解決策を導き出せた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?ビジネスを始めとするあらゆることの問題解決においても、一つの場所や視点に捉われず、多角的な方向から物事にアプローチすることが大切です。美術鑑賞もその選択肢の一つとして、童心にかえる同じように、美術鑑賞を柔軟な思考でな視点で体験することで、新たな視点が得られ、固定概念を覆すような新たな発見があるかもしれませんビジネスへのヒントが見つかるかもしれません。

一條 彰子(いちじょう あきこ)

一條 彰子(いちじょう あきこ)

東京国立近代美術館 主任研究員。セゾン美術館勤務を経て1998年より東京国立近代美術館の教育普及担当学芸員。現在、解説ボランティアを養成・運営しつつ、一般や学校向けの教育プログラムを行っている。2006年より独立行政法人国立美術館本部の主任研究員を兼任。一握りの愛好家だけでなく多様な人々が、美術館でアートを楽しめるようになることを目指し、解説ボランティアを養成・運営しつつ教育プログラムを展開している。また、全国の教員と学芸員向けの研修を行うなどして、子どもへの鑑賞教育の普及に努めている。

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