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part2 02 AIはどこがイノベーションポイントになる?

  • 2017/09/15
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スプツニ子!

スプツニ子!



現在、活躍するAIアルゴリズムの多くは、「膨大なデータ分析から最適な解を抽出し提案する」ことが得意。Part1.のスプツニ子!の話にもあるように「過去のデータ」によって左右され、人間が持つ体感や感覚での判断基準をAIは未だ持ち合わせていない。ここからどのようにAI領域を拡げていけるのか。AIのイノベーションポイントについて創造する。


次のAIは「想定外を想定する」ことが出来るのか?

原氏「現在、画像認識に優れているディープラーニング技術ですが、実は画像や音声など範囲がまだ狭いのです。私たちは、まだあまり上手くいっていないセンサーや巨大な関係性ネットワークにも用いられればと考えています。それは創薬や金融リスクの発見など。サイバー攻撃においても、色々な関係性の中から予兆を見つけなければならないので、大きなデータの中から何かおかしなものを発見するというのがブレイクスルーになり得るのではないかと考えています。その他、『想定外を想定する』をキャッチフレーズにして、機械学習以外に数学のモデルとシミュレーションを使い未来を予測することに挑戦しています。今のAIは、過去のデータを勉強することで解を導いていくのですが、それにも限界があると思っています。囲碁や将棋もそうですが、決められたルールのもとではすごい能力を発揮する今のAIですが、一歩そこから外れると途端に対応できなくなってしまう。サイバー攻撃もそうですが、『次の次の想定外のことが現れる』、そういうものに対応出来るようになるとブレイクスルーするのではないかと思います」

久世氏「イノベーションポイントは大きく2つあって、ひとつは、医療分野で大きな成果が現れてきたことです。医療の世界では、新しい薬や治療法がどんどん増えて、5年の間におおよそ2倍になると言われています。しかし、現場の医師が新しいことを勉強できる時間は、アメリカでは週に5時間しかないそうです。どんなに優秀な医師でも患者を網羅的に診断するのは難しい。そこで、ワトソンが大量の論文や症例などを学習し、病名や治療法の候補を抽出し医師へ提案。最終の診断、治療法は医師が決めます。オープンデータとなっている2500万件の医学論文の学習を完了しているのですが、そのデータ量はA4サイズに印刷して積み重ねると4000メートルにもなります。実際、難しい白血病の患者さんが、AIが提示した病名候補と医師の判断によって劇的に回復したという事例が昨年ありました。そしてもう一つのポイントは、コンピュータパワーのさらなる技術革新です。人間の脳の消費電力は、約20w(そこまで明るくない電球)にも関わらず、コンピュータより賢いです。IBMでは、脳の構造に似せたニューロ・シナプティック・チップの開発を進めています。その第二世代のチップ(2014年に完成した100万ニューロンで2億5600万シナプス)は生物でいうと蜂の脳と同等で、動画や静止画のディープラーニングができ、一般的なチップに比べると700〜1000分の1の消費電力で動作します。猫の脳と同等にするには蜂が100匹必要で、人間と同等にするには1000匹必要。このあたりの技術的チャレンジはとても期待出来るものです」

林氏「ポイントは3つあると考えています。まずIoT領域にディープニューラルネットワークによる認識の適用範囲を拡げていくことです。この場合の問題は、例えば無数の電球にセンサーを付けてデータを吸い上げて行く事を想像していただくとわかりやすいのですが、データを抽象化しないとサーバーや通信の負荷が増大するので処理のパンクは逃れられません。そこで『エッジコンピューティング(ネットワーク上のユーザーに近い位置で処理ができる)』の構成をつくり、エッジ側でデータを抽象化してサーバーへデータを渡す。これは確実に見えている未来です。そうすることで、今までチップが入っていなかった電球や冷蔵庫にもチップが入ってきて、これまでにない新しい世界が見えます。次に学習方面です。人間の脳は、物事を理解したあとで脳内シミュレートし、ベストな行動を選択するというのを無意識に行っています。このプロセスがAIにも入り始めています。あともう一つは、コンテキスト理解です。現状のAIは、コンテキストを理解している風にするために統計データを活用しているだけで、本質的にコンテキストを理解しているわけではありません。『エピソードで物事を整理する』ことが出来るようになると、今のチャットボットのような不自然さの残る、どこか誤魔化しの入った対話ではなく、自然な対話ができるようになります。研究分野でもまだ手探りですが、次のステップになるのは間違いないですね」




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