2016/05/09 | 創造とは破壊することである。 | 76view

#05_日本における破壊的創造は 「AI (人工知能) 」が鍵を握る

BTL TOKYO編集長/倉本 麻衣

1990年代、飛躍的なインターネットの普及に伴い、2000年代に入りスマートフォンとSNSは著しく進化した。結果的に、「個」の発信力が高まり、たった20年で集団から個である「人(ヒト)」に焦点が移ったのだ。

更に2010年以降は、人が所有するスマートフォンやウエラブル端末など、デバイス自体から情報発信されるモノの登場によって、情報発信するものがヒトだけではなくなった。それは、ヒトとモノとの関わり方に変化が訪れたIoT(Internet of Things)と言われる時代(※図1)。IoTは、1999年にイギリスのケビン・アシュトン氏が初めて使った用語とされているが、その10数年前より日本の計算機科学者である坂村健氏が、IoTの概念を提唱していた。その裏付けとして、「IoTの最初の提唱者であるという理由」で、2015年に開催された電気・無線通信の国際機関ITUの150周年記念式典で表彰されている。(※1)世界では他に、ビル・ゲイツなども受賞している。


(※1)時間変化から見るイノベーション
参考文献:日経ビジネス 共創・イノベーション戦略会議REPORT


IoTが最初に提唱されてから約30年の月日が経った今、やっと時代が追いついて来た感はあるが、ここから次のイノベーションを起こすには、コンピュータのオペレーティングシステム(※図2)における仕組みを理解することから始めると見えてくる。

一般的にオペレーティングシステム開発が盛んなのは、ユーザーに近い「サービス」とソフトウエアの一部の「アプリケーション」であることが分かる。例としてAppleは、AppleのOSプラットフォーム向けプログラミング言語「Swift」をオープンソース化し、世界中のプログラマー達が自由にアプリケーション開発を出来る仕組みにしている。ここでのポイントは、Swiftはあくまでもプログラミング言語であり、Appleのハードウエアに搭載されるOS上で動かすことを前提とされていることだ。言い換えると、1つのプラットフォームであるハードウエアに対して、それにあったソフトウエアは無数に開発することが出来る。

もし、ハードウエアを個人レベルで創ることが出来たらどんな世の中になるだろうか。それは、もっと自分たちの生活が便利になるものであるべきだし、それに伴ってストレスが軽減されるものであって欲しい。現在のIoTを起点として考えると、今後は機械そのものが自ら考えて自発的に情報を発信していくことや、ヒトの言動や動きに反応をし、雑音ではない情報として処理が出来るいわゆる「AI(人工知能)」を備えたハードウエアが生まれることではないだろうか。つまり、今までのIoTに新しい価値観が入り、今までにないモノが生まれる、それはまさに「破壊的創造」である。

但し、AIはまだ進化の過程にある。例えば、ヒトが「あれ、取って」と機械に話しかけたとしても、「あれ」を判別出来ない。予め「あれ」と言われたら、「これだ」というプログラムが入っている場合は読み解けるが、「あれが何なのか」というヒトの「意識」レベルを認識するまでには達していない。それでも、コンピュータの計算能力の加速度的な向上によって、膨大なデータ量を学習型アルゴリズムで結果を導くことが出来るようになりつつある。特にWEB関連市場では、検索エンジンやレコメンド機能、広告配信などに利用され始めている。要は、AIはヒトである必要はなくいきなりロボットにする必要もないのである。

世の中にあるプロダクトに対して、用途を絞り込んだIoTとAIの組み合わせで、今までとは違う動きや、ヒトのサポートが出来るモノを創ることが出来れば、それはとても画期的ではないだろうか。今回特集したテックショップでは、自分に技術力や知識が無かったとしても、「こうしたい」「こうすれば」の気づきがあれば、実現出来る可能性のある場所だ。

日常における何気ない「気づき」と、そこから「行動」に起こす勇気を持てたら、ぐっと実現に近づく。そんな時こそ、日本のモノづくりにおけるパラダイムシフト(※2)が起きるように思う。

今を生きる私たち日本人に求められることは、世の中を豊かにすること、幸せにすることに素直に向き合い、固定概念に近い常識を捨て、自由に物事を捉え、そして考えることを愉しむことが重要だと思う。自分自身も含め、「破壊することからはじめる」ことを大事にしたい。

(※1)http://www.itu.int/en/150/Pages/awards.aspx
(※2)時代や分野で当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観が革命的、劇的に変化すること


(※2)オペレーティングシステムの構造



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Mark Hatch

Mark Hatch

テックショップ共同設立社 兼 CEO/元・アメリカ陸軍特殊部隊隊員。
2012年12月、サンフランシスコ・ビジネス・タイムズ誌より「ベイ・エリアにおける最も尊敬されるCEO」に選出された。ファスト・カンパニー誌のコラム「Who’s Next」でも、時代を動かす次のキーパーソンとして認識されている。また、テックショップ自体もEXPY賞(人々のイノベーション経験等において、抜きん出た技術や能力を発揮した先駆的企業や人物に授与される賞)に輝いた。

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