2016/05/27 | 突風で全ての人を巻き込む。 | 13view

LV.3 Social_コミュニケーションから始まるクリエーション



フォロワー数=人気度、認知度ではない

時代は2010年代に突入し、世の中の多くの人は、手の中にスマートフォンを抱え、思い思いのアプリやSNSが人々の時間を奪い合うようになった。

西川貴教もまた、デビューからちょうど15周年を迎える時、スタッフの「ツイッターをやってみてはどうですか?」という提案がきっかけで、ツイッターを始めた。それまでもファン(ユーザー)とのコミュニケーションを大切にしてきたからこそ、ツイッターを始めたからと言って、その関係性を劇的に変えようというような動きはしなかった。

SNSの登場によって個の発信力が高まったことでプラスとマイナスの振れ幅は大きくなり、注目されるほどに独り歩きする情報や思いは増えていく。フォロワー数が120万人(2016年4月現在)を超える西川貴教は、冷静にこう分析する。「フォロワー数は、人気度、認知度ではないと思っています。全員が自分にポジティブな人ではないし、自分に100%興味がある人ではないかなと。そして、ツイッターだからと言っていきなり距離を詰めたりすることはないですね」

それは、ツイッターの特性を理解した上で、発信する内容によってコミュニケーションの深度を変えるやり方を心得ている(※図1)。3つのSNSについて改めて整理すると、「Facebook =オフィシャルの発信」、「Instagram =写真置き場」、「Twitter =コミュニケーション」として捉え、使い分けをしている。

また、ツイッターで発信する文末について「です、ます」調にすることで「いきなり距離を詰めたりしない」という距離感を保つことに繋がっている。西川貴教は、ツイッターに触れる人たちの僅かな時間を楽しいものにしようとするサービス心があるのと同時に、とてもデジタル・ネイティブな人でもあると感じた。




それでもリアルは強い「かけあい」によるクリエーション

西川貴教にとってツイッターは、コミュニケーション手段の1つではあるものの、「伝わる」ということに関して本質的に大切にしていることがある。「インターネットにアップしたら、情報は行き渡っていると思われがちですが、直接会って伝えないと伝わらないし進まないと思いますね」それは、デビュー時よりずっと「ライブ空間」で交わされてきたファン(ユーザー)との「かけあい」という体験の積み重ねこそが、リアルの価値を最大化しているからだ。そして「かけあい」は、ライブ空間だけではない私たちの身の回りでも日々起きていることがわかる。

企業の議会や会議などでも人が集い話し合いが行われる。それは、新しいアイデアの創出や課題解決のために必要な「かけあい」である。更に、そのかけあいは「一方的な想い」をぶつけるのではなく、「問いを立てる」方向で進められれば、今までにないコミュニティの幅を拡げることが出来る。例えば、「この商品で売上を伸ばすには?」という問いを「この商品でハッピーになれる人を増やすには?」へ、シェアードバリューのある問いにすることで自分ゴトとして捉えられ、考え抜かれた多様な案が集まるだろう。

一般的なマーケティング商品の場合は、企業がモノを提供する時点に価値があるのではなく、ユーザーによってリアルに触れられる「体験」によって価値がもたらされる点に注目する必要がある。その体験をもとに「かけあい」へ変化させるロジックを組み立てる。

西川貴教は、2016年5月から47都道府県をまわるライブツアーを始める。20周年の軌跡として、どのようなリアルコミュニケーションが図られるのか。2016年4月14日の熊本での地震に配慮し、安全性の考慮もあり、一切のセット、一切の演出を排除した音楽のみで全国をまわることを西川貴教本人のツイッターにて告げられた。これは、移ろいゆく儚い世界で、物質的ではなく、今を生きるために大切なモノやコトを音楽によって伝えようとしているようにすら感じた。

クリエーションには、時として引き算をすることによって、より明確に伝わることもある。今の西川貴教だからこそ出来る「音楽そのものの素晴らしさ」を全国に届けてくれるだろう。


アーティストではないかもしれない

更には、次のビジョンを描いている。それはマーケティングでモチベーション理論として用いられるマズローの法則に則ったビジョンだということが分かる。「社会のために何が出来るか。それが仕事で、働く意味になると思います。はじめは自分のために働くというので良いけれど、働きながらレイヤーを上げていき、社会にとって何ができるのか。を考えて働く目的とすることが本来あるべき姿だと思っています。そこで言うと自分は発想や物事の感覚が、アーティストではないかもしれないですね」

それはまさにビジョナリーとしての精神に則った社会的活動に入ろうとする瞬間であったりする。


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西川 貴教

西川 貴教

株式會社 突風/代表取締役社長。1970年9月19日生まれ。滋賀県出身。
1996年5月、西川貴教のソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてシングル『独裁−monopolize−』でデビュー。キャッチーな楽曲、観る者を魅了する完成されたステージ、圧倒的なライブパフォーマンスに定評があり、『HIGH PRESSURE』『HOT LIMIT』『WHITE BREATH』『INVOKE』など大ヒット曲を連発する。故郷滋賀県から初代「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、県初の大型野外ロックフェス「イナズマロック フェス」を主催、地方自治体の協力のもと、毎年滋賀県にて開催している。
http://www.toppu.jp

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