2016/07/04 | 2020年 東京オリンピック最高の「おもてなし」を | 52view

02_今、日本人の「無常観」を世界へ発信する

 

建築は永遠ではない

2016年4月14日、再び日本を大きな地震が襲った。九州地方の熊本では、最大震度7と言う大きな揺れが観測された。その地震によって多くの家屋が崩れたが、熊本城も例外ではなかった。しかし、熊本城の「宇土櫓(うとやぐら)」は、約400年以前に加藤清正によって築城されたが、今回の地震でも倒壊しなかったことで、日本の古き築城技術が注目されることとなった。

日本列島どこで地震が起きてもおかしくない今、私たち日本人は建築物とどう向き合うべきか。隈研吾の考えを聞いてみた。「建築は不滅ではないです。勿論、防災は大切ですし、様々な災害の中で人が学習してきたノウハウは建築へ生かされていますが、永遠ではないということを認識する必要があります」


日本人の中にある「無常観」

隈研吾は、災害と地震を身近に生きる日本人だからこそ、今世界へ発信するべき事があると言う。「日本人独特の自然観や、昔ながらにあるコミュニティを大切にする考え方など、日本らしい思想を発信していく時代がやってきたと考えています。それは無常観と言うものです。環境へのリスペクトなど、世界の人は日本人から学ぶべきことがあるように思います」

では、どのようにすると伝わるのか。「世界へ発信できることとして、文化を通じてというのが大きいと思います。もちろん建築文化もそうですが、食文化、都市計画などもあると思います。今、スマートシティプランなどもありますが、ものすごく古臭いイメージがあるので、もっと日本人らしい無常観を提案した方が良いのではと考えています」隈研吾から出た「無常観」とは、世にある全てのものは移り変わり、いつまでも同じものはないことである。


「スマートシティ」とは

高度経済成長期以降、日本は合理的で便利なものを求めてインフラが整備され、人工的技術が積み重なることであらゆるものが肥大化していった。しかし、 3.11の地震によって、その砂上の楼閣はもろとも崩れ、人々の価値観が変わることとなる。

スマートシティの本質は、大きなシステム(例えば原発など)を受け止めるだけの受動的存在から、自ら巣を作り、自らエネルギーを手に入れる能動的な存在へと変化を遂げつつあるところにあると、隈研吾は説いている。


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隈 研吾

隈 研吾

建築家。1954年、神奈川県横浜市生まれ。75年、東京大学大学院建築学科修了。コロンビア大学客員研究員、慶應義塾大学教授を経て、2009年より東京大学教授。主な作品は「水/ガラス」(静岡県)、「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」(宮城県)、「石の美術館」(栃木県)、「梼原町役場」(高知県)、「ONE表参道」「サントリー美術館」「根津美術館」(東京都)、「アオーレ長岡」(新潟県)、「竹の家」(中国・北京市郊外)、「三里屯ビレッジ」「三里屯SOHO」(北京)、「ブザンソン芸術文化センター」(フランス)など国内外に多数。著書に『10宅論』(ちくま文庫)、『負ける建築』『自然な建築』『小さな建築』(岩波書店)、『日本人はどう住まうべきか?』(日経BP社・養老孟司との共著)など多数。最新刊『建築家、走る』(新潮社)では、疾走する建築家として世界のパラダイム転換を解き明かしつつ、隈ならではの文明論、建築論を縦横に語っている。
http://kkaa.co.jp/

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