2016/07/27 | (歌舞伎 × テクノロジー)+市川染五郎「伝統とは時代を超えた革新力にあり」 | 4view

KABUKI with TECHNOLOGY


(※1)2016年5月ラスベガス公演 客が歌舞伎踊りをするシーン (写真提供©松竹株式会社)


アメリカ人はインタラクティブなコミュニケーションが好き

ラスベガスの公演は、大成功の内に幕を下ろした。ラスベガスに限らず、歌舞伎は世界中で公演を行なっていることもあり、外国人も歌舞伎を知っている人は少なくはない。今回の公演を通して、日本と海外のオーディエンスの違いはどこにあったのだろうか。

細田氏「インタラクティブなコミュニケーションが好きなアメリカ人。逆に日本人は、距離を少し保って静かに見る鑑賞タイプの方が多いです。ラスベガスでは、花道を銀橋のようにして観客のすぐ目の前を役者が歩いたり、水しぶきが飛んで来る距離感にしました。このようなインタラクティブな演出が、海外の人には反応が良かったですね。自分たちもそのシーンに入り込んでいる感覚で観客の多くの方が見ていました」映像の迫力と役者の能力が融合され、結果的に非常にインタラクティブなコミュニケーションが図られ、素晴らしい仕上がりとなった。



(写真提供©松竹株式会社)


人とテクノロジーの融合で見えるその先

インタビューの冒頭で細田氏が答えてくれた「壊すのではなく歌舞伎を生かす」という考え方について、公演を終えてみて、具体的にどの辺が生かされ、またその先に見えるのは何か聞いた。

細田氏「色の鮮やかさ、音響、パターンで見せていく感情。そういったトラディッショナルな歌舞伎の部分は崩さず、この世のものではないものは、CGホログラムやプロジェクションマッピングで比較的容易に実現できるのがメリットだと考えています。例えば、数十年前の名優と今活躍している役者、先代との夢の親子共演など、実現可能となる日も近いのではと思っています」

岡崎氏「テクノロジーの力を使うと、お花を咲かすなど、昔から歌舞伎で黒子が動かしていた表現を、細やかに変化させることが出来ます。今後の歌舞伎の表現の幅が広がるように思います」

映像の変わり方が細やかな分、逆に俳優は合わせる難しさが出てくる。主演した市川染五郎も「映像については、色彩や美しさという歌舞伎に不可欠な要素があり、そこが共通言語だと思います。私は映像が歌舞伎の一つの演出方法となるような予感がしています。今回はその一歩です」と語っている。



(写真提供©松竹株式会社)


歌舞伎は旅する大使館

細田氏「歌舞伎は旅する大使館と言われています。様々な国から招いていただいて、歌舞伎を演じ、日本の文化を広め知ってもらうことを続けてきました。その一方で、海外でも商業的に成功するようなコンテンツとして考えている中での今回はその実験でした。この試みを日本でもやっていきたいとも思います」

テクノロジーと歌舞伎における共通点を見出したのは紛れもなく市川染五郎。そして、舞台で演じることでオーディエンスの反応をダイレクトに受け、次へ向けて更なる進化を遂げる。世界の舞台で感じた手応えが今後どのように変化していくのかも、歌舞伎を楽しむ醍醐味の一つになるだろう。



(写真提供©松竹株式会社)


■ 無料定期購読はこちらから→http://businesstimeline.jp/order_inquiry.html


[会員限定] この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

VERBAL

VERBAL

Music Producer, MC, DJ (m-flo, TERIYAKI BOYZ®, PKCZ®)Creative Director (AMBUSH®)m-floでの活動の他、超豪華ラップグループ TERIYAKI BOYZ® 、新たにスタートしたクリエイティブユニット PKCZ® のメンバーとしても知られ、独自のコネクションを活かし数多くのアーティストとコラボレーション。 Pharrell、Kanye West、AFROJACK など海外のアーティストとも交流が深い。近年はDJとしても飛躍を遂げ、そのスタイルはファッション界からの注目も熱い。デザイナーのYOONと共に2008年にスタートしたアクセサリーブランド “AMBUSH®” ではクリエイティブディレクションを手掛け、これまでに Louis Vuitton(Kim Jones)、SACAI、A Bathing Ape® など、錚々たるブランドともコラボレーション作品を発表している。


左:松竹株式会社 取締役副社長 細田氏/右:松竹株式会社 常務取締役 岡崎氏

左:松竹株式会社 取締役副社長 細田氏/右:松竹株式会社 常務取締役 岡崎氏

プレミアム会員募集 プレミアム会員募集

INTERVIEW

  • 新着記事
  • ランキング

BTL TOKYO

TAG

TWITTER

FACEBOOK

RECRUIT

求人
  • 2017年08月号
  • 2017年07月号
  • 2017年06月号

毎月15日発行 クリエイティブ経済誌「BTL TOKYO」は
企画・マーケティング・クリエイティブ職に就く
ビジネスパーソン向け無料の月刊誌です

無料定期購読