2016/08/30 | 徹底した差別化でプロダクトを創る方法 | 20view

#CASE02_戦略的プロモーション と店舗づくり

一般的に新商品をプロモーションする場合、CM・雑誌・交通広告・WEB広告などを考えるだろう。潤沢な資金がある場合は、それでも良い。しかし、全ての企業が多くの宣伝費を持ち合わせているわけではない。ここではなるべくコストを押さえたプロモーション、そして店舗づくりで成功したケースを紹介する。


AHKAH神南本店


アプローチ先を決める

朱美「一般コンシューマーに寄せたプロダクトが出来た頃、ブランドをより多くの人に知ってもらうための一番良い方法はなんだろう? 発信者たちはどこにいるのだろうか?と考えていました。そんな時、ファッション雑誌を細かいキャプションまで読み込んでいた娘である彩野からの提案もあり、まずはスタイリストの方やモデルさんに着用してもらいたいとなりました」

オープン時は朱美の友人30名程度の小さなパーティーから始まり、その後人気セレクトショップに営業した。そこから業界人に広まり、雑誌でも特集してもらうようになったことで、初めて一般のコンシューマーが来店する。

朱美「本当の意味でのお客様は、オープンから3年目に女性誌JJ の特集を見て来店してくださった人たちでした」

これは、イノベーター理論に基づくアプローチ手法が成功したパターン。但し、広告代理店が入らない形で朱美自ら試行錯誤で動いての結果。スタートアップ企業は非常に参考になるケースである。


AHKAH神南本店内


業界ブレイクとなったセレクトショップでの取り扱い

それまでは表参道にあるビルの5階の一角にあった看板もなく閉鎖的なショールームで、知る人ぞ知る業界人しか立ち寄らない店舗であった。ただその後PRとしての彩野の動きがブレイクのきっかけとなる。

彩野「お洒落感度の高い業界人、スタイリスト、モデル、芸能人たちの間で話題になっていたセレクトショップCherにAHKAHを置いてもらったのがきっかけです。これが一番初めの卸し店舗になりました。
置いてもらえた理由は、もちろんカワイイと思ってもらえたことが大事だったと思うのですが、本物のジュエリーであり、そして市場にはないプチジュエリーだったことが大きかったと思います。当時、セレクトショップはイミテーションのジュエリーしか取り扱っていなかったのですが、CherにAHKAHの本物のジュエリーを置いてもらえて、業界人の目に止まったことが大きかったです。そして、手に届く価格設定であったことも広まるポイントになったかなと思います」

オピニオンリーダーが確実に見る場所へ置けたことで商品価値も向上。そこから更にマジョリティへ拡げるチャンスが訪れる。


右:株式会社AHKAH 代表取締役社長福王寺 朱美
左:株式会社AHKAH 取締役・PRディレクター福王寺 彩野


幽霊屋敷を蘇らせた、大ブレイクの店舗づくり

2005年、一般コンシューマーまで広がるブレイクは、初の路面店オープンがきっかけであった。AHKAH神南本店は真っ白い壁に多くの緑。その一角だけヨーロッパを彷彿させる佇まいであるが、それらの世界観を実現するには朱美ならではの美的感性があったからだと言える。

朱美「もっと人の目に留まるような場所での店舗を探していた中で、取り壊しが決まっていて2年限定で借りられる民家があるというのを聞き、見に行ったのが今の神南本店です。初めて見た時は幽霊屋敷のような手入れされてない民家だったのですが、ここなら自分が思い描く真っ白な世界の店舗づくりが出来るかもしれないと思ったのです。とても格安でお借り出来たというのもあり、屋根と柱だけ残してリノベーションすることに決めました」

感性は人それぞれで、それまで何を見てきたかに左右されることは多い。朱美もまた幼少の頃より本物の美術に触れてきたからこそ「モノの見方」に関してのポイントがある。

朱美「いくら美術館へ行って一流の美術品を見たとしても、どういう気持ちでその作品を見るかによって受け止め方は全く違います。観光などで何気なく見るのではなく、実際に絵を描く人の隣で芸術を見ることで、仕上がるまでの工程を理解することが出来るのです。その理解は、多くのインスピレーションに役立てることが出来ます」


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福王寺 朱美

福王寺 朱美

株式会社AHKAH/代表取締役社長。成城学園高校卒業後、シアトルユニバーシティに進学。ロサンゼルス米国宝石学会にて宝石鑑定士(G.I.A GG)を取得。1997年、AHKAHを設立。

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