2016/11/29 | 「世界基準」でクリエイションする | 16view

#01_世界基準で考える舞台づくりとは

−文化を嗜んでこそ一流である−日本人は今、世界基準で「文化交流」のスキルを問われている。舞台における表現方法や演出方法、また歴史の中からインスピレーションを得るための一つのインプットとして、オペラやミュージカルを観覧するクリエイターも少なくない。しかし、大切なことはどのような視点を持って解釈しインプットするかである。



違いが分かる「ミュージカルの本質」

ミュージカル作品の多くが海外からやってくる。海外で創られた作品を日本で受け入れられるものへと変化させる手法はどこにあるのか。それは、ミュージカルの本質がどこにあるのかを知ることで理解出来る。

宮本亜門「僕は、色々なジャンルのものを扱ってしまう人間です。海外でやっていたものを日本へ持ってくる時点で、全然違うものになります。それは言葉の意味合い、宗教観など特に国によって異なります。そういったことが結果的に違うものになるのだと思います。ミュージカルは国を超え色々な場所であらゆる民族に伝わるものに創られた形態なのです」


それが「世界のものさし」である

どのような作品でも宮本亜門らしいオリジナリティ溢れる作品へ変化させてしまう演出力があるが、世界基準としてミュージカルそのものに、オリジナリティを大切にする文化がある。

宮本亜門「昨今、輸入作品をそのままの演出で公演を行うのを見かけますが、僕が外国に行くと、なんでそのままやるのか?と聞かれます。その国らしさがないと面白くないじゃないかと海外の方には言われます。国ごとでそれぞれの表現の仕方があってしかるべきという理解なのだと思います。それがミュージカルやオペラにおける“世界のものさし”なのです。 だから僕は演出家として、 国、場所、オリジナル性を大切に、それぞれ個性を持ってクリエイションすることの面白さを追求しています」


もしも、現代にモーツァルトが生きていたら?

宮本亜門は、ミュージカルだけではなくオペラも手掛ける。何世紀も前に創られたオペラを現代で表現するにあたり、どんな時代に創作者が生きていたのかを知ることから始まり、時代に合わせた表現方法で新しいカタチへと蘇らせる。

宮本亜門 「以前、18世紀にモーツァルトによって創られた“魔笛” を演出した際、設定を現代のコンピュータゲームにしたことがあります。元々のストーリーはファンタジーの世界に入っていくものでしたが、現代にモーツァルトが生きていたらゲーム音楽を作っていたのではないかな?と思ったのです。また、モーツァルトはフリーメイソンに入っていました。フリーメイソンは自由博愛を信じる男性だけのグループ。しかしモーツァルトは女性だって入っては良いのではないか、男女同権であるはずだと訴えていたように感じたのです。少なくとも自分はそう理解していて、その時代にモーツァルトが何をしたかったのか?というところから考えることが必要ではないかと思います。そうすることで、その時代にモーツァルトが気づけなかった視点を掘り下げて気づいて表現出来るとも考えています」


クラシックは本来、大胆で面白くてイノベーティブで革命的

元々何をしたかったのか?から、現代人に触れやすい表現へ変わってくる中でオペラのベースとなっているクラシック音楽そのものについても宮本亜門なりの解釈がある。

宮本亜門「クラシックは今でこそとても丁寧に丁寧に手掛けられたがゆえに遅いテンポになっています。しかし当時の作曲家たちは意識せずに斬新なものを創っていたと思います。それは大胆で面白くて革命的で、今よりも1.5倍ぐらい曲の速さがあったのではとも言われています」


ミュージカルはとてもコンサバティブ

そもそも上流階級の人たちのためのものであったオペラが、のちに庶民へ浸透していく中でミュージカルが誕生することになるが、まだ100年ほどの歴史であるミュージカルについては逆にコンサバティブだと言う。

宮本亜門「ブロードウェイでミュージカルが誕生してから、国を超えてストーリーが複雑になって、革新的なものになりました。しかし、まだ歴史は浅いのでミュージカルを確立しなければと考える人もいるのは事実で、意外にコンサバティブに扱われています。でもいくらでも変わって良いのではと思っています」



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宮本 亜門

宮本 亜門

1958年東京・銀座生まれ。ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎等、ジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がけている。今年10月に、能と3D映像を掛け合わせた世界初めての試みとなる「幽玄」をシンガポールのアジア文明博物館でワールドプレミア、12月ミュージカル「プリシラ」を上演予定。

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