2015/06/24 | イマ時クリエイティブは 脳科学で創る! | 29view

イマ時クリエイティブは 脳科学で創る!

「クリエイティブ」とは、広告業界などにおいて「制作物」「制作者」等の意味で使われている。英語としては、「創造」「独創」といった意味がある。いま世界的にデザイン政策や文化政策が盛んになっている中で、いかにして創造力を高められるかがクリエイターや広告制作に携わる人々に求められる。今回は、クリエイティブ力を引き上げるための方法や制作チームの中での向き合い方について、脳科学の視点で人間脳科学研究所/所長・澤口俊之先生にお話いただいた。それは、クリエイティブだけではなく、マネジメントの視点でも素晴らしいヒントが満ち溢れている。




「クリエイティブ力を向上させるために 何を鍛えるべきでしょうか?」



クリエイティブ力を妨げるのは“ 言葉” ?!

最初に澤口先生が口にされたことは、「まず、クリエイティブ力は遺伝するものなので、元々素養が無い方は諦めた方が良いですよ(笑)」ということだ。そこで終了してしまうのかと落胆しかけたところで、「脳科学者自身が、クリエイティブ力が必要だと考えている人が多くいることもあって、どうやって向上させていくかについての具体的方法論の研究がかなり進んでいます。」 一体どんな方法があるのか。実は妨げてしまっていることがあるそうだ。「それは言葉なのです。言語化させようとすると、クリエイティブ力が下がるという研究があります。」脳は生まれたときから使っているので癖がある。なかなかその癖を取り払うのは難しい。「クリエイティブ力が長けている人は独特な脳の使い方をしています。その独特な脳へ持っていくためには、脳の使い方を知ることです。」そして脳の使い方にはいくつかの簡単な方法があるようだ。「1つは瞑想。瞑想法は相当良いというのがわかっています。そして、忙しくしないで退屈になることです。」


“ 退屈” になると、クリエイティブ力が高まる?

「クリエイターは個人主義者が多く、元々様々なアイデアを出すのがうまいものです。しかし、様々な制約が設けられていくうちに情報が集約され、クリエイティブが生まれづらい環境へとなっていきます。」結果的に脳は追い込まれると、クリエイターの本来持っている力が発揮されなくなる。「そのような状況を回避するために、“退屈” にすることなのです。」言語は雑多な情報を理論的に考え、議論を重ねて集約させるように狭めていく。一方、クリエイティブは幅広い情報が発散するような位置関係にあり、ある時、それらの情報がぱっと組み合わさる。「また、個人主義とは逆に、集団主義の方もいます。こちらは個人でクリエイティブを生むことが難しいので、そういう人はブレインストーミングを行うことでクリエイティブな発想を持つことが出来ます。」1人になる方が良い人と集団 (チーム) でやっていく方が良い場合があるので見極めが必要。「それでも個人主義者の方がクリエイティブ力は高いと言われています。」


クリエイティブ力を身につけるには “ダイバース思考 (拡散思考) ” が必要

「具体的にクリエイティブ力を向上させるには、ダイバース思考 (拡散思考) を身につける必要があります。ダイバース思考とは、今まで経験してきた点と点を繋げる際の思考です。」どうすれば身につくのか、一番良い方法が研究で分かってきている。「ウォーキングがベストと言われています。散歩しながら考えることで、簡単且つ効率よくその思考 を身につけることが出来ます。歩く早さなどは全く意識せず、ただ歩くことが大事なのです。」脳の活性化には有酸素運動が良いと言われているが、ダイバース思考の場合はあくまでもウォーキングが良いそうだ。


“歩きスマホ” こそ、ダイバース思考に最適

「更に、青い光を浴びる、もしくは見ることが良いです。青色は集中力が高まると言われています。ですので、青い光が使われているパソコンはダイバース思考を高めるには良 いのですが、座ったままになるのであまり意味がありません。」世間的には、歩きスマホは危ないので止めよう。と言われているが、ダイバース思考を身につけクリエイティブ力向上のためにはとても向いているそうだ。安全な場所でスマホを見ながら歩き、時々空も見るのが最も適している。


【ほめる】【あまりほめない】【批判しけなす】で図ると、効果が図れる?!

「クリエイティブ力を図る上で実験をしたことがあります。複数の学生にある発表をさせて、【ほめる】【あまりほめない】【批判しけなす】この 3 つのパターンで評価をした後、改めて課題を与えたところ、発表の批判を受けた人が一番クリエイティブの向上に繋がりました。批判しすぎるのは間違いで逆効果になりますので、落ち込ませ過ぎない程度にけなすのが必要です。」これらはマネジメント手法として気にかけたい内容だ。


適度なアルコールが入る “ノミニケーション” は、とても良い

「適度にアルコールを飲んでいる時はダイバース思考になりやすくクリエイティブになります。」要はクリエイティブ力が必要な仕事に関して考えていないときにそれに関するアイデアがでやすい。脳の動きについてクリエイティブ力は、脳の前頭葉から放射線状に神経が巡り情報がつながっていくのが特徴らしい。また、経営者の脳は前頭前野の部分が極端に発達しているそうだ。




【編集部考察】
■ クリエイティブ力の引き上げは、ダイバース思考になることが大切。
■ そうなるには、歩くこと。青い空やスマホを見ながら考えながら歩くと効果大。
■ 無理にクリエイティビティになろうとしない。あえて自由に考えること。
■ 退屈になること。そこから見えてくるものこそ、最高のクリエイティブ。


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澤口 俊之

澤口 俊之

1982年北海道大学理学部生物学科卒業/1988年米国エール大学医学部神経生物学科ポストドクとして赴任/1991年京都大学霊長類助手研究所助手/1991年北海道大学医学研究科教授/2006年人間性脳科学研究所所長就任/2012年武蔵野学院大学教授兼任/2013年同大学院教授兼任
専門は神経科学、認知神経科学、霊長類学。理学博士。近年は乳幼児から高齢者の幅広い年齢層の脳の育成を目指す新学問分野「脳育成学」を創設・発展させている。著書に「幼児教育と脳」「わがままな脳」「学力と社会力を伸ばす脳教育」「夢をかなえる脳」「やる気脳を育てる」など多数。最近の著書に「脳を鍛えれば仕事はうまくいく」「モテたい脳、モテない脳」がある。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、NHK「突撃!アッとホーム」等、TV番組にも出演。

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