2017/02/15 | 野村萬斎から学ぶイノベーション力 | 85view

野村萬斎から学ぶイノベーション力

狂言師/野村萬斎


650年以上の歴史を持つ日本の伝統芸能「狂言」。3歳で初舞台を踏み、17歳で五穀豊穣を祈る舞『三番叟(さんばそう)(※1)』を披(ひら)いた野村萬斎の活動は狂言の世界に留まらない。2017年、開場より20周年を迎えた世田谷パブリックシアター(※2)の芸術監督として自らのアイデンティティを活かし「伝統演劇と現代演劇の融合」など芸術監督の方針をもとに、様々な作品を演出。「古典的なものをアヴァンギャルドに使う手法は、私の真骨頂」と語る。デジタル技術の進化が著しく手軽に情報収集が出来る現代、「人はなぜ劇場に足を運ぶのか」という素朴な問いに「様々な価値観を観客と作り手が共有し、生きていることを実感する場が劇場である」と解く。日本の伝統文化を新たにイノベートし、その幅を拡げる萬斎から本物のイノベーション力とは何かを学ぶ。


(※1)能楽の儀礼曲「翁(おきな)」の中で、狂言師の勤める舞。足拍子が多いため、『三番叟』を「踏む」とも表現される。足拍子は大地を踏み固める所作に通じるため、天下泰平を祈る翁の舞に対し、『三番叟』は五穀豊穣を寿ぐ舞とされる。常の能とも狂言とも違う、古風な様式を多く留めた神聖な曲。

(※2)世田谷パブリックシアター
「創造発信型」の公共劇場の先駆けとして1997年に開場。2002年に野村萬斎が芸術監督として就任。「地域性、同時代性、普遍性」「伝統演劇と現代演劇の融合」、「レパートリーの創造」という3つの方針を掲げ、現代演劇とコンテンポラリーダンスを中心とする作品を上演している。時代に即した、あるいは先んじた実験的・先鋭的な作品など多様な作品を上演。また新たな観客の発掘・育成にも積極的に取り組む。


参考文献:狂言サイボーグ/野村萬斎
コンセプチュアル思考/好川晢人




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野村萬斎

野村萬斎

狂言師。1966年、東京都生まれ。狂言師。人間国宝・野村万作の長男。重要無形文化財総合指定者。2002年より世田谷パブリックシアター芸術監督を務める。国内外の能・狂言公演や舞台・映画出演はもとより、世田谷パブリックシアターでは『まちがいの狂言』など狂言の技法を駆使した舞台や、『国盗人』(「リチャード三世」を翻案)など古典芸能と現代劇の融合を図った舞台を次々と手掛ける。芸術監督就任後初の構成・演出作『敦 ―山月記・名人伝―』では朝日舞台芸術賞、紀伊國屋演劇賞を受賞。構成・演出・出演を務めた『マクベス』は全国各地で上演を重ねるほか、海外公演(ソウル、ニューヨーク、シビウ、パリ)も果たした。

松井るみ

松井るみ

舞台美術デザイナー。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。劇団四季を経てロンドンへ留学。帰国後、舞台美術家としての活動を開始。2004年『Pacific Overtures』(宮本亜門演出)でブロードウェイデビューし、同作品デザインで第59回トニー賞にノミネート。2007年にはOISTATより“世界の最も名誉ある舞台デザイナー12人”に選出。タン・ドゥン作曲『TEA: A Mirror of Soul』(宮本亜門演出)ではオペラ界においてもアメリカ進出をはたす。さらに、2010年6月には『The Fantasticks』(宮本亜門演出)でロンドンのウェストエンドデビューを飾った。 近年は、上海公演や、AKB48の5大ドームツアー、国立競技場公演のセットデザインを手掛けるなど、活動の幅を広げている。これまでに参加した作品は400以上にのぼり、紀伊國屋演劇賞個人賞、第8回・第19回読売演劇大賞最優秀スタッフ賞,伊藤熹朔賞、菊田一夫演劇賞他、受賞多数。2015年より東京藝術大学の非常勤講師を勤める。

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